幼い子どもはしょっちゅう体調を崩すもの。小さな体で熱や咳に苦しんでいる姿を見ると、何とか早く治してあげたいと思わずにはいられませんよね。
でも当の子どもが、せっかくもらってきた薬を嫌がって飲まない。そして病状も機嫌もどんどん悪くなって…、子育て中のママなら、きっと誰しもそんな経験に覚えがあることでしょう。
今回は、風邪が悪化して気管支炎なってしまったお子さんのママから体験談を伺いました。服薬の重要性や子どもへの薬の飲ませ方など、参考になる情報をたくさん教えていただきましたので、ご紹介していきますね。
原因は薬嫌い!?風邪症状が悪化して気管支炎に!
今回は1歳の娘・ひなちゃんのママである、みきさんにお話を聞かせてもらったよ。
こんにちは、みきです。みなさんはお子さんが病気の時に「なかなか薬を飲んでくれないー!!」と困った経験はありませんか?
あるある!もうこっちが根負けしちゃうくらい断固拒否!!って時もあるよ。
そうなんです。赤ちゃんのうちは、薬も甘みのあるシロップで出されることが多く、比較的飲ませやすいのですが、これが粉状になるともう大変。苦みのあるものなどは、せっかく口に入れた薬を吐き出すという荒業をやってのけられたり。
ただでさえ具合が悪くご機嫌も最悪な子どもに、嫌いな薬を飲ませるのは至難の業。そうなると、特に病気の症状があまり重くない時などは「まあ、無理して飲ませなくてもいいかな~」なんて思ってしまいませんか?
でも、処方されたお薬は全部飲み切ることが大事なんです。
私は娘が気管支炎になった時に、服薬の大切さを痛感したの。今回はその時の経験をお話するわね。
みきさんは栄養士さんとしてフルタイムで働いているワーママさんでもあるの。育児と仕事の両立についてなど、参考になるお話をいつもいろいろ聞かせてくれる頼れるママさんなのよ。
病状の経過
娘・ひなが保育園に通い始めたのは、「平成」も残りわずかとなった2019年4月のこと。待機児童期間を経て、1歳8ヶ月での入園でした。
「保育園に行くようになったら、子供が熱出して仕事休まないといけないよ」「仕事と育児の両立は、親子どっちも体調崩しやすいからね」と周りから相当心配されていましたが、4月は仕事と育児、苦戦しながらもひなも私も休むことなくやり過ごすことができました。
でも安心したのも束の間。世間は「平成最後~!」と盛り上がっている4月30日、今までの疲れが出たのか親子で熱を出してしまったんです。
その後の経過はこんな感じ。
【5月1日】世間は「令和ーーー!!!」と盛り上がっている中、私は復活しましたが、ひながまだ不調。GWは当番医しか開いていないので、その日開いている小児科を受診。病院での待ち時間は2時間。自分自身も体調が万全ではなかったので、この待ち時間はかなり長く辛かったです。
診察結果としては、「風邪だろうね。お薬出しておくので飲ませて下さい。」とのこと。
【5月2日】初日はちゃんと薬を飲んでくれたひなが、急に「嫌!!」と反抗し始め、薬を飲ませても、口から出してしまうようになりました。
「熱もだいぶ落ち着いているし、ご飯をちゃんと食べてるから、大丈夫かな?」と薬を飲ませることを断念。
【5月4日】4月29日から(無理矢理)5連休を頂いていた私ですが、この日は遅番(9時~20時)の仕事が入っていたため、ひなを同居しているばあばに預けて仕事へ。
ママっ子のため、外出以外は機嫌が悪いひな。今回は体調も悪いので、仕事の際もひなの体調が心配で心配で…。「何かあったら職場に電話してね。」と伝えてありましたが、お昼までは電話も鳴らず少し安心していた私。
しかし、夕方ばぁばから電話が。「ひなの熱が高くなったから、小児科に連れて行ったよ。白血球の数が通常よりもすごく多いらしくて…気管支炎だって。今もすごくきつそう」と。遅番は代わりとなる人がいないため早退できず、そのまま何とかばあばに面倒を見て貰いました。
21時前に家に帰宅すると、辛そうな娘の姿。それでも私の顔を見ると、すごく嬉しそうな顔をしてくれて…もう本当に一緒にいてあげられなくてごめんね、と涙が出てきました。
具合の悪い我が子の傍にいてあげられないのは、本当に辛いよね。でも仕事を休むと、今度は職場のみんなにも申し訳なくて…。
そうなの。仕方のないことだとわかっていても、やっぱり辛いのよね。働くママはみんな常にこの気持ちを抱えていると思う。
でもそれだけじゃなくて、今回ひなに対して本当に申し訳なかったのは、途中で薬を飲ませるのを止めてしまったことなの。
そう、最初に処方されたお薬をきちんと飲んでいれば、もしかしたら病状は悪化せず、気管支炎にまでならずに済んだかもしれないんです。
なぜ気管支炎になってしまったのか?
初回の受診を済ませた後、熱も落ち着いて、食事も摂れるようになってきたので、ひなは回復に向かっていると思っていた私。それなのに何故気管支炎に?と疑問だったのですが…
ばぁば曰く「薬を途中でやめたから、身体の中の菌を殺しきれなかったみたい。白血球の数がたくさん増えてしまってこうなったって。」と先生に言われたのだそう。
今回、この抗菌薬を途中で飲むのを辞めてしまったので、病状が悪化してしまったんです。
あの時、無理矢理にでも薬を飲ませれば、娘はこんな辛い思いをしなくて良かったのか…。なんであの時しっかり薬を飲ませなかったんだろう。
白血球の数を調べたと言うことは、身体が弱ったあの小さな身体に注射をして血を採ったということ…。本当に娘に申し訳なく、いくら後悔しても足りない思いでした。
「もう良くなってきたから薬を飲まなくても大丈夫」といった自己判断は決してしないこと。処方された薬はきちんと飲み切ること。病状を悪化させないためには、これが本当に大切です。
粉薬を飲まない子どもにはゼリーが有効?
うーん、服薬の大切さはわかるけど、やっぱり薬をキライな子は多いよねぇ。病気の時なんて特に機嫌も悪いし、飲ませるのに本当に手こずるよ。
そうなのよね。特に小さい子は「薬を飲まなきゃ治らない」って言ってもわからないし。吐き出されちゃうと元も子もないわよね。
実は私、気管支炎の薬をちょこっとなめてみたんです。そうしたら他の薬と比べても、と~~っても苦くって。大人でも苦いと感じるものを、子どもが口に入れてくれるわけがないですよね。
ですが、ここで私のように「飲んでくれないから仕方ない」「少し元気になってきたから、薬を飲まなくても大丈夫かも」なんて諦めたり過信してはいけません。何とか薬を飲んでもらえるよう、いろいろ工夫してみましょう。
薬嫌いの子どもには「カムフラージュ作戦」!
「薬嫌いな子どもに薬を飲ませる方法」について、ママ友ネットワークも駆使して、いろいろ情報を集めてみたの。
その結果、多くのママ達に支持されているのがカムフラージュ作戦。要するに薬をゼリーと一緒にあげたり、ジュースやアイスと一緒に飲ませちゃうんですね。
確実なのは、服薬用に作られているゼリー。「抗生物質にはチョコレート味」とか、テレビCMでも見たことがあるのではないでしょうか。
のどごしのよいゼリーは、扁桃腺が腫れている時なども、ツルリと喉を滑ってくれるのが嬉しいですよね。
もちろん、このような専用のゼリーを使わなくても、カムフラージュ作戦は基本的に子どもの好きなものに薬を混ぜてしまえばOKです。先輩ママからのおすすめは、
- パクリ・ゴクンと一口で飲み込める固形物
- アイスやプリン・ジャムなどは甘みが強いので、薬の存在感を消し去る強~い味方
とのこと。飲み物だと、一口分の分量に全部の薬を混ぜるのは難しいですし、量が多いと途中で残されちゃったりするみたいです。
ただしカムフラージュ作戦の注意点は、ミルクやお粥などの主食には薬を混ぜないこと。
これは薬剤師さんからお聞きしたんですが、ミルクやお粥を口に入れた時に、「ん?いつもと違う」「苦い」「まずい」とインプットされると、その後「もうご飯食べなーい!」となってしまう可能性があるんです。
そんなことになったら大問題ですよね。なので、お子さんがどんなにミルク大好き!お米大好き!であっても、主食を薬の隠れ蓑に使うのはやめましょう。
甘いものに頼らない「こねこねペースト作戦」!
子どもの大好きな甘いもので「薬の存在感抹消作戦」は確かに効果が高そうですが、「うち、まだ甘いもの食べさせてないんだけど」という小さいお子さんの場合は、これ、使えないですよね。
そんな時には「粉薬こねこねペースト作戦」です。具体的な方法はこちら。
- 粉薬に1~2滴の水を加えてペースト状にする
- ペースト状になった薬を、お子さんのほっぺの内側や上あごに塗りつける
- 薬が口の中に残らないよう水やミルクで薬を流し込む
ポイントは
- 薬は味を感じやすい舌の上にはのせない
- 流し込む&口直し用の飲み物をスタンバっておく
この2点。口内からできるだけ素早く薬の痕跡を消し去ってあげることで、2回目以降の服薬の抵抗感をグッと下げることができます。
シロップ薬の上手な飲ませ方は?
粉薬に限らずシロップ薬も嫌がってなかなか飲んでくれない、というお子さんもいますよね。そんなお子さんには、コップやスプーンを使うよりも、スポイト利用がおすすめです。
スプーンなどでシロップ薬を口元に運んだ場合、お子さんが嫌がって顔を背けたり、手を出して拒否した時にこぼれてしまったりするんですよね。ですがスポイトならその心配はありません。
少量ずつ含ませてあげれば、吐き出されることもないので安心です。ちなみにスポイトを使う際にも、ペースト作戦と同じように、できるだけ舌の上は避けて薬を口内に入れてあげると味を感じにくいですよ。
シロップ薬を飲む時も、すぐに口直し用の飲み物を飲めるようにスタンバっておいてね。
そのお薬によって、病院の先生がどうやって飲ませたら飲んでくれるかを教えてくれる小児科もあります。また、薬剤師さんもいろいろな方法を教えてくれますので、「うちの子、薬が嫌いで飲んでくれないんです」と相談してみるといいと思いますよ。
また、薬によっては「乳製品と合わせない方がよい」とか「果汁と合わせると苦みが増す」といったものもあるそうです。普段からカムフラージュ作戦でバッチリ薬を飲ませている!という方も、処方毎に薬剤師さんに組み合わせの是非を確認することをおすすめします。
熱にも熱中症にも重宝!経口補水液の作り方
さて、処方されたお薬をお医者さんの指示通りにしっかり飲み切る、ということがいかに大切であるかは、お分かりいただけたでしょうか。
ですが服薬の他にもうひとつ、体調を崩した時にとっても重要なことがあります。それが水分補給。熱でも下痢や嘔吐でも、脱水にならないよう水分をしっかり摂ることは最重要課題。
今回、病院の先生から発熱時の水分補給についも教えていただきましたので、最後に経口補水液の作り方について、皆さんにお伝えしておこうと思います。
経口補水液って、ドラッグストアとかで売ってるやつでしょ?
そう、それ。さとみちゃんは自分やお子さんが熱が出た時、どうやって水分補給してる?
熱がある時はスポーツ飲料がいいんだよね。あ、でも家にない時は、とりあえず水やお茶を飲みながら凌いでるよ。
発熱時の水分補給と聞くと、アクエリアスやポカリスエットといったスポーツ飲料を思い浮かべる方が多いですよね。かくいう私もそのひとり。風邪をひいたら、とりあえずアクエリアスを買い込んでいました(笑)
ですが、お医者様いわく、大人もこどもも熱が出ている時の水分補給には、スポーツ飲料ではなく経口補水液の方が断然いいのだそうです。
でも経口補水液って、フツー家に常備してないですよね?昼間は元気だったのに、夕方から子どもの熱がグングン上がって…なんてよくあること。そうなってから、ドラッグストアに経口補水液を買いに走るのは難しいし…
でも自分で作ることができれば、子どもが突然熱を出しても慌てなくて済むでしょ。
経口補水液は自宅にあるもので本当に簡単にできますので、作り方を覚えておいて損はないですよ。
【経口補水液の作り方】
- 水 1リットル
- 砂糖 40g(大さじ4と1/2杯)
- 塩 3g(小さじ1/2杯)
- レモン汁 お好みで
この4つをかき混ぜたら出来上がりです。
冷めてないまま飲むと、アクエリアス等の方が断然美味しいの…。飲む際は、冷蔵庫で冷まして、レモン汁多めがおすすめよ。
経口補水液は熱中症対策としても有効ですし、是非、試してみて下さいね。
まとめ
- 病気を悪化させないために、そして完全に治すために、薬はちゃんと飲みましょう。
- 薬嫌いな子どもにも、何とか薬をのんでもらえるよう、諦めずに工夫を凝らしましょう。
子どもの命を守るためにも、親は自己判断に頼らず、お医者さんや看護師さん・薬剤師さんなど、専門の方の意見をしっかり聞くことが大事ですね。
また突然の体調不良に慌てることのないよう、日頃からの備えも必要です。GWのような大型連休はもちろん、日祝はかかりつけの小児科もお休みだと思います。そのような場合に備えて、県や市のホームページに日祝の当番医が載っているホームページなども事前に確認しておきましょう。
そして、子どもの健康はママの元気があってこそ。家事に育児にお仕事に…毎日フル回転のママも、どうぞご自愛を。