母乳育児をしているママには、お酒はダメ、市販薬もダメと、妊婦時代に引き続き何かと制限が多いもの。カフェインもそのひとつですよね。
授乳中はカフェインを控えた方がいいという通説は、多くのママ達が知るところでしょう。でも家事に育児に日々忙しいママとしては、おいしいコーヒーでほっと一息つきたいというのも切なる願い。
ママがリラックスタイムを心置きなく堪能できるよう、カフェインは母乳や赤ちゃんにどんな影響があるのか、どのくらい控えればいいのかについて、しっかり確認しておきましょう。
授乳中のカフェインは「量」に注意!
なぜ授乳中はカフェイン摂取を控えるべきと言われているのか?それはもちろん赤ちゃんによくない影響があると考えられているからです。
大人でも、過剰摂取すれば体に害があると言われているカフェイン。そんなカフェインが、ママを経由して体の小さな、そしてまだ消化機能も未熟な赤ちゃんの体内に入ってしまうとしたら・・・
ダメダメ!授乳中にカフェインなんて、そりゃ絶対NGだよ!
あれ?でもちょっと待って。さとみちゃん、授乳期にコーヒー飲んでなかった!?
飲んでたよー。でもうちの子、元気にすくすく育ってるでしょ?
そう、授乳期のカフェインは、絶対に1滴も飲んではいけない!というわけではありません。カフェインは「量」にさえ気をつければ授乳中に摂取してもOKなんですよ。
母乳に移行するカフェインは1%程度
授乳中でもOKなカフェインではありますが、やはりママがカフェインを摂取すると、その成分は母乳へと移行します。
ほら!やっぱり授乳中のカフェイン摂取はよくないよ!
ですが、ママの体に入ったカフェイン全てがそのまま母乳に流入するわけではありません。母乳に移行するのは、ママが摂取したカフェインの1%程度なんです。
そ、そうなんだ。1%くらいなら、赤ちゃんの体にも影響が出ないんだね。
そういうこと。でも、もちろん大量に摂取すれば、母乳に含まれるカフェイン量も増えることになるから、注意は必要だよ。
つまり、授乳中にカフェインを摂ることが絶対にNGということではなく、正確には授乳中にカフェインを摂り過ぎることがNGということなんです。
では、授乳中のママがカフェインを大量に摂取してしまった場合、赤ちゃんにはどんな影響があるのでしょうか?
カフェインの大量摂取は赤ちゃんに悪影響!
授乳中のママがカフェインを過剰摂取すると、赤ちゃんに
- 興奮して寝つきが悪くなる
- 機嫌が悪くなり、よく泣く
といった影響が出る可能性があります。
あくまでも過剰摂取した場合の影響なので、「赤ちゃんが興奮して寝ない」原因が、常にカフェインに関連付けられるわけではありません。しかし、授乳中にコーヒーを飲んでいたという先輩ママからは
うちの子は私がコーヒーをたくさん飲んじゃった日の夜は、なんだか興奮してなかな寝てくれなかったわ。
コーヒーをちょっと多めに飲んじゃうと、なかなかお昼寝しなかったり、ようやく寝付いてもすぐ起きちゃったりしたわ。
なんていう声もちらほら。
ご機嫌ななめで寝付いてくれない我が子の様子に、もしや・・・?と心当たりがあるママは、カフェインを摂り過ぎていないか、一度見直してみてもいいかもしれませんね。
では、授乳中に摂っても問題がないカフェインの「量」とは、具体的にどのくらいなのでしょうか?
授乳中のコーヒーは1日何杯までOK?
カフェインは様々な飲み物や食べ物に含まれていますが、やはり真っ先に思い浮かべるのはコーヒーですよね。このコーヒーを基準に、授乳中の摂取可能なカフェイン量について確認していきましょう。
まずはこちらをご覧下さい。
- 【WHO】妊婦のコーヒー摂取量:1日3~4杯
- 【英国食品基準庁】妊婦のカフェイン摂取量:1日200g(コーヒーマグカップ2杯程度)
- 【カナダ保健省】妊婦・授乳婦・妊娠予定の女性のカフェイン摂取量:1日300g(マグカップ2杯程度)
へぇ、こんな基準があるんだね。日本ではどうなっているの?
日本では特に基準は決められていないの。でも、こういった外国の機関の情報も踏まえて、1日に2~3杯くらいまでなら大丈夫っていう認識が一般的になってるかな。
ただ、カフェインによってどのような影響を受けるかは、その人の体質によってかなり違いがあります。そのため、一律に摂取量の基準を設けることはとても難しいのだそうです。
なるほど。だから機関によって摂取目安量にちょっと違いがあるんだね。
母乳へと移行するのは摂取したカフェインの1%。ですから、ガブ飲みしなければ摂取量の数値にあまり過敏にならなくても大丈夫です。
ただし、赤ちゃんがカフェインの影響を受けやすい体質である可能性も無視はできません。そういった万が一のことを考えれば、少し控えめに「1日2杯」くらいを心がけておくと安心かもしれませんね。
コーヒーだけじゃない!カフェインを含む飲み物に要注意!
「コーヒーを控える」=「カフェインを控える」と考えがちですが、実はカフェインは、コーヒー以外にも様々な飲み物に含まれています。
代表的なところでは
- 紅茶
- 緑茶
- ココア
- コーラ
- エナジードリンク
などなど。カフェイン含有量は抽出方法などによっても違いが出ますが、お茶・ココア・コーラ飲料のカフェインはコーヒーの約1/2程度と考えておきましょう。
また、注意したいのはエナジードリンクです。意外にも、エナジードリンク1本当たりに含まれるカフェイン量は、コーヒー2杯分相当になるものもあります。飲む際には、必ず確認するよう気をつけてくださいね。
このように、コーヒーだけに意識を向けていると、知らず知らずのうちに、思いのほか多量のカフェインを体に取り込んでしまうこともあるので、注意して下さいね。
日常的にお茶をよく飲むママや、コーラ大好き!というママは、ノンカフェインの飲み物と上手く組み合わせて1日のトータル摂取量を調整してね。
コーヒーを飲むなら授乳後が◎
摂取量に気をつけていれば問題がないとはいえ、それでも赤ちゃんへのカフェインの影響が気になるというママも多いでしょう。その場合、カフェインを摂るタイミングに配慮するといいですよ。
コーヒーを飲むなら、授乳後がおすすめだよ。
ママがコーヒーを飲んだ場合、母乳に含まれるカフェイン濃度がピークになるのは、その15分~2時間後。ですから、授乳を終えてからコーヒーブレイクをとり、飲んでからは2時間以上の授乳間隔を設ければ、赤ちゃんへのカフェインの移行を防ぐことができると考えられます。
「赤ちゃんのためにコーヒーは飲んじゃダメ」と無理に我慢してストレスを溜める必要は全くありません。摂取量や飲むタイミングなどのポイントを押さえつつ、至福の1杯を楽しんで下さいね。
授乳後の赤ちゃんお昼寝タイムは、ママにとっての貴重なリラックスタイム。コーヒーブレイク以外にも、自分なりのお楽しみや気分転換法を見つけて、肩の力を抜いて子育てをしていきたいですね。
授乳中のチョコレートも要注意!
実は「カフェイン」、飲み物だけではありません。チョコレートにも含まれているのはご存知ですか?
育児の合間の甘いモノ、チョコレートはママの至上の癒しアイテム。「カフェインが入っているから、授乳中はチョコレートは食べちゃダメ!」なんて言おうものなら、ママ達の間で暴動が起きてしまいそうです…(笑)
でも、大丈夫。チョコレートに含まれるカフェインは、コーヒーなどの飲み物に比べればずっと少ない量。おやつとして常識的な量を食べる分には全く問題がありません。
ただし、チョコレートの種類によってもカフェインの量は異なるの。
授乳中はビターよりミルクチョコ
チョコレートには、ビターやミルクなど様々な種類がありますよね。なんと、その種類によってカフェイン含有量が変わるというのはご存知でしたか?
「明治ミルクチョコレート」1枚(50g)のカフェイン量はレギュラーコーヒー1杯(150ml)の1/6程度。「チョコレート効果72%」個包装1枚(約5g)は1/15程度です。
カフェインは、チョコレートの原料であるカカオマスに多く含まれています。従って美肌効果などで注目されている「ハイカカオ」を謳うビターチョコレートは、ミルクチョコよりもカフェインの含有量が多いのです。
ちなみにホワイトチョコはカカオマスを使っていないから、カフェインの量も少ないよ。
つまりチョコレートのカフェイン含有量は、ホワイト<ミルク<ビターとなるわけです。
ただ、カフェインが少ないからといって油断してはいけません。チョコレートにはコーヒーや紅茶といった、カフェイン入りの飲み物が似合うもの。カフェイン+カフェインの組み合わせでおやつタイムをとるママ達も多いのではないでしょうか。
そうなれば、知らず知らずに1日のカフェイン摂取量を越してしまう可能性があります。そのため、やはりチョコレートも「やや控えめ」を心がけるとよいでしょう。
甘~いチョコレートの誘惑に弱いのは大人も子どもも一緒。チョコレートの影響が深刻になってくるのは、授乳期よりもむしろお子さんが自分でおやつを食べるようになってからかもしれません。
ママの知らぬ間に、パパやおばあちゃんがチョコレートを与えちゃった!なんてことになる前に、子どものチョコデビューの時期や注意点についても確認しておきましょう。
授乳中の上手なカフェインとの付き合い方
コーヒーであれチョコレートであれ、カフェインを含んでいても、適量であれば授乳期でもそれほど神経質にならず美味しくいただいて問題ありません。
カフェインには、「眠気がとれる」「元気になる」「集中力が増す」といった効能があります。ちょっぴりお疲れのママ達のリフレッシュタイムには、まさにぴったりのお供という感じがしますよね。
ですが、やはり授乳中は「カフェインを極力控える」という意識を常に持っていることも大事です。なぜなら「ついつい摂り過ぎてしまう」のがカフェインの怖いところ。
なぜなら、カフェインによる影響は、赤ちゃんだけに出るわけではありません。カフェインの過剰摂取は冷え性を悪化させるなど、ママの体にもマイナス。妊娠・出産を機に、ちょっぴりカフェインレスな生活を意識してみるのもいいのではないでしょうか。
カフェインは摂れば摂るほど欲しくなる!?
カフェインを継続的に摂取していると、眠気スッキリ・気分爽快といった効能が、少量のカフェインでは得られにくくなってしまいます。その結果、摂取するカフェイン量が増えていってしまうんです。
↓
カフェインを摂る
↓
まだスッキリしない
↓
もっとカフェインを摂ろう
↓
またスッキリしなくなってきた
↓
もっともっとカフェインを摂ろう
↓
やがてカフェイン中毒へ・・・
これが、『もっともっとカフェイン!』ループの構図です。
中毒症状までには至らなくても、このループにはまってしまうと、カフェインの量を制限するのが苦しくなってしまいますよね。
ですから、眠気覚ましや疲労回復の手段として、習慣的にカフェインを摂取するのはやめましょう。あくまでも、リラックスタイムの“ご褒美”的な位置づけで楽しむことをおすすめします。
ノンカフェイン・カフェインレスを活用しよう
カフェインの量を上手にセーブするなら、ノンカフェインやカフェインレス飲料の活用もおすすめです。
うーん、でもカフェインレスだとやっぱりなんか物足りないのよねぇ。私も授乳中にデカフェコーヒーを試したけど、結局普通のコーヒーに戻しちゃったわ。
「デカフェは物足りない」っていう意見はよく聞くよね。でも最近は種類も多いし、探してみたら自分好みの味のものが見つかるかもしれないよ。
例えばこちらは、「デカフェとは思えない!」と好評のカフェインレスコーヒー。
香り重視、コク重視などなど。それぞれのこだわりポイントに従って味くらべをしてみたら、思いがけず逸品に出会えるかもしれませんよ。
また、個人的にはカフェインレス・ノンカフェインはコーヒーよりもお茶の方が、違和感を感じずに楽しみやすいように感じています。コツは、“ちょっといい”お茶を選ぶこと。
ルピシア ノンカフェイン・ローカフェインセット 23360139 1セット(3種入)
ルピシアのお茶は、カフェイン含有量に関わらず、その味の良さを本当におすすめします。紅茶好きのママ達も「美味しい」と大絶賛のノンカフェイン飲料なんです。
授乳期は赤ちゃんと二人きりで過ごす時間も長く、意外と時間を持て余し気味というママは少なくありません。コーヒー派・紅茶派にこだわらず、この機に新たな“お気に入り”探しをしてみるのも楽しいのではないでしょうか。
まとめ
- カフェインは「量」に気をつければ、授乳中も摂取してOK。
- 授乳中のコーヒーの摂取量は1日2杯くらいが目安。
- コーヒー以外の飲料・食品に含まれるカフェイン量にも要注意。
- カフェインレス飲料の活用などで、カフェイン摂取量を無理なくセーブする心がけを。
ママも赤ちゃんも、ストレスを溜めず健やかに。“至福の1杯”が、そんな子育てライフの一助となりますように。