出産を機に専業主婦となったけれど、「またいつかは働き始めたい」と考えるママは多くいらっしゃいますよね。その中でも、「子どもが3歳になったら仕事をしよう」と考える方は多いのではないでしょうか。
しかし、働き始めるなら日中の預け先を決めなければいけません。そこでママ達の頭を悩ませるのが、我が子を預けるなら保育園と幼稚園のどっちがいいの?という問題。
働くならやっぱり保育園?でも幼稚園の方が教育をしっかりしてくれそう…?分かるようで、でも実はよく知らない、保育園と幼稚園の違い。預け先を探す前にしっかり理解し、あなたに合った入園先を探していきましょう。
保育園と幼稚園の違いは何?
保育園と幼稚園の選び方として、ママがお仕事をしていれば保育園、していなければ幼稚園、という考えがありますよね。しかし、これはもはや昔の話。
今は幼稚園に子どもを通わせながら、バリバリ仕事をこなしているママもたくさんいます。最近は、早朝保育や延長保育に対応している幼稚園も増えているので、働くママも幼稚園を利用しやすくなっているんです。
確かに。息子の通ってた幼稚園では、フルタイム勤務の人は少なかったけれど、パートで働いているママさんは結構いたわね。
働くママにとっては、子どもの預け先の選択肢が増えているってことだね。
それは嬉しいんだけど、選択肢が増えるとかえって迷うわね。私も子どもが3歳になったら働こうと思っているんだけど、保育園と幼稚園、どっちがいいのか分からなくて…
このように、保育園VS幼稚園で迷うママは多いはず。しかし、迷ってしまうのは保育園と幼稚園のことをよく分かっていないことが大きな要因となっている場合がほとんどです。
そこで、まずは両者の違いや特徴を整理していきましょう。
重視する運営目的が違う
子ども達がお友達や先生と一緒に楽しそうに過ごしている保育園と幼稚園。正直なところ、どちらも同じようなイメージがありますよね。
ですが、保育園は「厚労省管轄の福祉施設」、幼稚園は「文科省管轄の教育施設」。そもそもの目的が異なるんです。
えーと…つまり、どういうこと?
つまり、保育園は保育をするところ、幼稚園は教育をするところという意味。言わば、幼稚園は「幼児の学校」とも言えるので、子ども達の面倒を見てくれる“先生”も、保育園は『保育士』さん、幼稚園は『幼稚園教諭』と実は専門性が違うんですよ。
最大の違いは入園基準
上記の異なる目的により、保育園と幼稚園とで決定的な違いとなっているのが入園基準。
【保育園の入園基準】
- 親が働いている、病気であるなどの理由で「保育に欠ける子ども」
- 保育に欠ける状況であれば、0歳~小学校入学前までの子どもが対象
【幼稚園の入園基準】
- 親の就労状況など家庭環境は問われない
- 3歳~5歳の子どもが入園対象
これを簡単にまとめると、以下のようになります。
- ママが働いている→保育園も幼稚園も選択可
- ママが専業主婦などで日中の育児ができる→幼稚園のみ利用可
この点から、もし保育園に入園を決めた場合、入園後にママがお仕事を辞めるなど「保育に欠ける」状況でなくなった場合は要注意。保育園の入園基準には当てはまらないため、保育園の利用継続ができないこともあります。
保育園には、認可保育園と認可外保育園と種類があるんだけど、今回は「認可保育園」の場合で考えていくね。認可と認可外の違いについては、また別記事でお話しします。
タイムスケジュールから探る生活の違い
異なる目的を持った保育園と幼稚園、入園基準の他にはどんな違いがあるのでしょうか。両者の1日のタイムスケジュールを比較して確認してみましょう。
※給食の提供は、保育園では義務化されていますが、幼稚園では任意とされています。
やっぱり保育時間は全然違うわね。それに保育園のお昼寝も特徴的だわ。
そうだね。こうして比べてみると、お昼寝・給食・おやつと保育園は生活主体の感じがするね。
でも、延長保育や給食のある幼稚園を選べば、保育園との違いはあまりないような気もするわ。保育園と幼稚園ではカリキュラムの内容に差があるのかしら?
確かに、目的が違うと言うわりには、保育園と幼稚園の1日の過ごし方に際立った違いは見つけにくいですよね。
それもそのはず。そもそも別物であったはずの保育園と幼稚園ですが、今や各種カリキュラムに力を入れる保育園、預かり保育を充実させる幼稚園と、それぞれが守備範囲を拡大し、両者の役割は重なり合ってきているのです。
それじゃあ、ますます何を基準に選んだらいいのかわからないわ。
そこで、入園先選びにおけるママ達の“気になるポイント”
- 園でどんなことをしてくれるのか?(カリキュラム)
- 費用
- 保育園と幼稚園それぞれのメリット・デメリット
を中心に、保育園と幼稚園の違いをさらに具体的に検証しながら、「どっちを選ぶか?」の基準を明確にしていくことにしましょう。
保育園と幼稚園では学力に差が出るの?
「保育園よりも幼稚園に通わせた方が、子どものためにはいいのかしら?」と思い悩むママ達が最も気になっているのは、「幼稚園の方がしっかりした教育をしてくれるのでは?」という点です。
もしかしたら「幼稚園出身の子は、お勉強がよくできる」「幼稚園に行っていた子の方が、学校でも先生の話をよく聞いて落ち着いている」なんて話を、年配の方から聞かされた方もいらっしゃるかもしれません。
目的の違いを考えると、教育施設である幼稚園はお勉強、保育園は保育だけ、といったイメージがありますものね。
そうなの。やっぱり教育が充実していた方が、小学校に入学してからも苦労しなくて済むんじゃないかしら?って気になっちゃう。
では、実際のところ保育園で過ごした子と幼稚園で過ごした子では、学力にどの程度の差が出るのでしょうか?
「お勉強=幼稚園」はもう古い!
保育園と幼稚園の違いの一つに、「保育園は保育をするところ」「幼稚園は教育をするところ」という目的の違いがあると説明しました。
しかし、これは保育園では保育だけ行っているということではありません。むしろ、ひらがなの読み書きはもちろん、外部講師を招いて英語などの学習に取り組んでいる保育園もあるんですよ。
うちの息子は幼稚園に通ってたけど、文字や計算なんかの「お勉強」カリキュラムはなかったよ。外部から体操や英語の先生は来てたけど、遊びの延長みたいで楽しそうだったな。
一方で、このようにのびのびとした遊びや体験を重視している幼稚園もあります。
つまり、保育施設・教育施設という線引きではなく、個々の園の方針によりカリキュラムに特色が見られるのが、最近の園事情。
カリキュラム重視で入園先を選ぶのなら、保育園・幼稚園という枠組みに捉われず、各園の特色をしっかり比較して検討することが大事なんです。
そういえば、友達の子が通ってた幼稚園では漢字まで教えてたよ。
え?幼稚園で漢字?うーん、そういう園にいた子と遊びメインで過ごしてきた子とじゃ、小学校に入った時にやっぱり学力に差がついてそう…。うちの子も3歳になったら、お勉強重視の園に転園させた方がいいのかなぁ?
小学生になった時の学力の差は“なし”
園によってカリキュラムに大きな違いがあるならば、小学校入学後に我が子が大幅に勉強に出遅れることになるかも…。そう考えると、「やっぱりお勉強カリキュラムが充実した園を選んでおいた方がいいのでは?」と思うのが親心かもしれません。
ですが、学力の差については、そこまで心配しすぎなくても大丈夫です。
出身の園によって、子ども達の学力に違いがあると感じたことはないですね。
え?そうなの?
なんと、親の意識とは裏腹に、小学校の先生は園での幼児教育による違いを意識することはほとんどないんだそう。
学習面でも生活面でも「保育園か幼稚園か?」という違いが気になるようなことはないです。むしろ子どもが最も影響を受けるのは、やはり家庭環境だなぁと感じてますよ。
そ、それはそれで、ちょっとプレッシャーだけど。
読み書き計算を一通り教わってきた子と、全くやったことのない子どもとでは、学習のスタート時点では大きな差があるように見えるかもしれません。ですが、それは「学力」の差ではなく「経験」の差。
園での勉強が学力に直結するわけではないので、どんな能力を身につけさせたいか?ではなく、『園生活でどんな体験をさせてあげたいか?』『どんな風に過ごさせてあげたいか?』という視点でカリキュラムを比較することが大事ですね。
幼児教育は、継続と努力を伴って初めて「学力」に繋がるのかもしれないね。でも、どんなことでも遊び感覚でぐんぐん吸収していけるのは小さい子どもならでは。英語も、赤ちゃんのうちから耳にしていると「英語耳」が育つらしいよ。
保育園と幼稚園の費用はどっちが安い?
家族の生活を管理するママにとって、気になるのは保育園と幼稚園の費用の違いではないでしょうか。
どんなに素晴らしいカリキュラムの園でも、明らかに所得の範囲を超える利用料がかかるようでは選択できません。また同じくらい気に入った園であれば、少しでも安い方を選びたいのも当然ですよね(笑)
そこで要となるのが、2019年10月からスタートした幼児教育の無償化です。3歳~5歳の全ての子どもに対して、保育園と幼稚園の利用料は以下のようになりました。
- 保育園利用料:無償
- 幼稚園利用料:月額2.57万円を上限とし無償
これだけを見ると、保育園の方が断然お得に利用できそうですよね。
しかし、幼稚園の利用料は、公立で月額5千円~1万円程度。この金額なら無償化の範囲内に収まっているため、自己負担なしで利用できます。
また、私立幼稚園でも月額3万円前後が平均となっているので、自己負担があっても少ない金額で利用できる園が多くあると言えるでしょう。
つまり、保育園と幼稚園の費用の差、世帯収入による費用負担額の差はほとんどなくなってきているのです。
初期費用に要注意!
利用料が極端に高い幼稚園を選ばない限りは、無償化のおかげで保育園でも幼稚園でも費用に大きな違いはないのね。
ただし、無償化の対象はあくまでも「利用料」。送迎バスの費用や食材料費、行事費などは保護者負担になるから注意が必要だよ。
さらに、他にも注意しなければいけないのが、入園金や制服代などの初期費用です。
入園金は、認可保育園では必要ありませんが、幼稚園では公立でも私立でも準備が必要です。しかし、入園金は無償化の対象ですので、入園金がかからない、かかったとしても5千円程度である公立幼稚園の場合は実質無料となります。
しかし、私立幼稚園には入園金10万円!なんていう園もゴロゴロ。そのため、無償化の上限額を超えてしまい、自己負担になる園が多いと心得ておきましょう。
一方、制服代は保育園でも指定のものを購入しなければならない園もあります。通園服に体操服、靴や靴下、帽子にバッグ等々、細かなものまで指定されている場合にはかなりのお値段になることも…。
幼稚園は行事費用も多くかかりそうだし、トータルで見ると保育園の方が家計にはやさしいと言えそうだね。
確かに遠足代とか結構高かったもんなぁ。でも制服は3年間着倒す!と考えれば、そんなに割高ではなかったかも(笑)
幼稚園の制服代はそれなりのお値段になりますが、一式揃えてしまえば、園にいる間は着替えいらず。在園中は私服の数が最小限で済み、さらに兄妹で使い回せば経済的、なんて声もあります。
また、幼稚園のバザーで制服を格安で手に入れたり、近所のお兄ちゃんお姉ちゃんからお古の制服をもらったり、と賢く必要物品をゲットしているママ達もいますよ。
利用料だけでなく、実際にどのくらいの費用がかかるのか?節約術はあるのか?などなど、費用の比較には細かい情報収集が必須ですね。
保育園はやっぱり働くママの味方!
さて、これまで保育園と幼稚園を比較してきたところ、
- 学力→保育園と幼稚園での大きな違いはない
- 費用→初期費用等によって幼稚園の方が割高だが、無償化制度の導入により保育料自体の差はなくなってきている
となっており、「保育施設だろうが教育施設だろうが、大して差がないじゃん!」「結局どっちに預けても変わらない?」と思われた方も多いことでしょう。
しかし、餅は餅屋です。忙しいパパやママに代わって子どもを保育するのが保育園の本業。やはりその保育園の恩恵は、働くママにはとっても大きいのです。
安定の保育時間がママの仕事を支える!
保育園と幼稚園のタイムスケジュールを比べた時に、はっきりと差が出たのが保育時間でしたね。働くママにとって、これはかなり重要なポイントです。
【保育園の保育時間】
- 原則8時間
- 7時半頃~18時頃までを通常保育時間、18時以降を延長保育としている園が多い
【幼稚園の保育(教育)時間】
- 標準4時間
- 9時頃~14時頃を通常教育時間としている園が多い
このように、保育時間に関してはやはり保育園が圧勝。夕方までしっかり子どもを預かってくれるので、ママも安心してお仕事ができますね。
でも、幼稚園でも預かり保育をやってくれるから問題ないでしょ?
ですが、幼稚園の預かり保育はやはり“オプション”。夕方までの保育が“基本仕様”である保育園とは違い、いろいろと落とし穴があるんです。
幼稚園の預かり保育“費用の落とし穴”
保育園は原則8時間保育で、多くの園が7時~18時までの11時間程度の保育を実施しています。通常保育時間は園によって多少異なるものの、この時間内であれば無償で利用できるのが保育園の強み。
一方で、“オプション”である幼稚園の預かり保育を利用して、夕方まで子どもを預けた場合の費用はこのようになります。
【幼稚園の預かり保育の費用について】
- 申請により「預かり保育の必要性」が認められた場合に限り、無償化の対象となる
- ただし、1日の利用額450円×利用日数、月額1.13万円を上限とする
幼稚園の場合は預かり保育にも上限額が設定されているんです。預かり保育の料金設定は幼稚園によって違いますが、早朝保育と降園時間後の預かり保育を利用した場合、1日当たりの料金が450円よりも高額となる園もたくさんあります。
従って、園によって、また利用時間によっては自己負担が発生する可能性が高いことを認識しておきましょう。
ママがフルタイムで働いているなど、子どもを預ける時間が長い場合は、やっぱり保育園の方が経済的負担が少なくて安心だね。
保育園と幼稚園の“夏休み”事情
保育園のお休みは基本的に土日祝日、そしてお盆やお正月となります。パパやママのお仕事スケジュールに合わせて、しっかりお子さんを保育してくれるわけです。つまり、保育園には夏休みや春休みといった長期休暇はありません。
しかし、「学校」である幼稚園には長いお休みが存在します。夏休みは1ヶ月以上、冬休みや春休みだって、長い園だと3週間くらいはお休みになることも。
そしてその長いお休み中に、預かり保育の対応をしてくれるか否かは園次第。園によっては、例えばお盆を挟んで10日間くらいは預かり保育の対応なしなど、預けることができない期間が結構あるのです。
また、「遠足の日は預かり保育はありません」と、サラッと言われてしまうのも幼稚園あるある。長期休暇に限らず、なんだかんだで預かり保育自体が“お休み”になってしまう園も多いのだとか。
子どもを幼稚園に入園させたけど、蓋を開けてみたら預かり保育の臨時休業が多すぎて「仕事が続けられない!」って言ってたママもいたよ。
保育園に長期休暇がないのは、「学校」じゃないからこその保育園のメリットなのね。
保育園はママの「行事負担」にも配慮
「幼稚園は親が参加する行事が多くて大変!」なんて話を耳にしたことはありませんか?働くママとしては、入園先選びにおいて「行事の数」も外せないチェックポイントです。
園の行事は、我が子の成長を垣間見られる貴重なチャンス。参加したい気持ちは山々でも、お仕事をしている身では、平日に何度もお休みを取るのは難しいもの。
最近は、行事を減らしてママ達の負担軽減を図っている幼稚園も増えていますが、一般的にはやはり、保育園の方が幼稚園よりも親参加の行事が少ないと言えます。また、役員などの負担についても配慮されているのは断然保育園です。
幼稚園の役員の打ち合わせなんかは、平日の昼間にバンバン入ったりするからね。
園での様子は見たいけど、子どもが体調を崩したりして、急に仕事を休まなくちゃいけないことも多いしね。親参加の行事はやっぱりポイントを絞ってもらえると助かるな。
「行事が少ない」とはいえ、保育園においても親参加必須なのが入園式。パパやママの服装コーデは大丈夫ですか?入園式の服装にはマナーが大事。しっかりチェックして、お子さんの晴れの席におしゃれパパ&ママが華を添えてあげましょう。
もちろん、入園式の服装マナーは、保育園・幼稚園共通(笑)幼稚園ママも是非参考にしてみて下さいね。
待機なし!転園なし!「自分で選べる」幼稚園
やっぱりママが働くなら、保育園の方が環境が整っているのね。学力にも差が出ないみたいだし、仕事を始めるなら幼稚園を選ぶメリットは少ないかも。
ただ保育園の場合は入れるかどうかが最大の問題だよね。
「〇〇園に入りたいです!」「はい、どうぞ~」とはいかないのが保育園。福祉施設である保育園の利用は、保育をより必要としている子ども達から優先されます。つまり、希望の園があるからといって、必ずしもその園に入園できるとは限らないのです。
待機児童が連なる、いわゆる“激戦区”ともなると、「どの保育園でもともかく入れれば!」とならざるを得ないのが実情でもありますよね。
その点、幼稚園には親の就労状況に振り回されず、第一希望の園を自分たちで「選べる」という絶大な強みがあります。
子どもに合った園を選べる
幼稚園の場合は親の就労状況等に関わらず、3歳~5歳の子どもみんなに門が開かれています。また、入園希望の園に直接申し込みを行いますので、保育園より格段に「入りやすい」のです。
親子ともども2~3年とお世話になる園ですから、誰しも「よい園」を選びたいと考えますよね。特に3歳までを家で過ごされてきたお子さんにとっては、ママから離れて初めて飛び込んでいく外の世界。できるだけ我が子に合った園を、と思うのは当然のこと。
カリキュラムだけでなく、小規模でアットホームな雰囲気がいい。先生の感じがよい。園児たちがみんなのびのびと楽しそう…。このように、様々な視点から「ここぞ」と選び抜いた園に入園できれば、親御さんとしても心強いですよね。
でも幼稚園だって、必ず入れるわけじゃないんでしょう?
そうだね。各園で面接なんかの選考があるし、人気の幼稚園は倍率もすごいみたい。それでもプレ保育から通ったり、いろいろ対策も打てるから、やっぱり保育園よりは入りやすいんじゃないかな?
ママが仕事を辞めても安心
幼稚園の安心感が高い点はもうひとつ。家庭状況が変化しても転園する必要がないこと。これは、「保育に欠ける子ども」が在園する保育園にはないメリットとなります。
例えば保育園に入園後、下のお子さんの出産を機に退職されるママさんもいらっしゃいますよね。ママがお仕事を辞めたとなれば、「保育に欠ける」状態ではなくなります。
すると、上のお子さんは保育園を退園することになり、自宅で過ごすか幼稚園などへの転園をすることになるのです。
せっかく慣れた園を退園しなきゃならないのはかわいそうね。幼稚園に入り直すにしても、途中からだと上手く馴染めるか不安だわ。
途中入園を受けてくれる幼稚園を探すのも大変みたい。それなら始めから通いやすい幼稚園を探して入園するのもアリだね。
幼稚園の入園を意識し始めると、「入園前までにはオムツを外さなきゃ」と考えるママも多いのではないでしょうか。でも、トイレトレーニングは「〇歳だから」とか「みんながやってるから」という基準で始めると上手くいかず、イライラが募ってしまうことも。
「もう幼稚園に入るんだから」と焦らなくても大丈夫。いつかはちゃんと外れます!お子さんのタイミングで、親子共々ストレスフリーなトイレトレーニングの方法を見つけて下さいね。
保育園と幼稚園のいいとこ取り?こども園もチェック
最後に、保育園と幼稚園の機能を併せ持つ「認定こども園」について、ご紹介しておきましょう。こども園とは、一言で言うと「保育園と幼稚園の機能を併せもつ施設」のこと。
そう言われても…どんな施設かよく分からないわ。
「こども園」という名前は耳にしたことがあっても、実態はよくわからない、というママもきっと多いですよね。そこで、こども園がどんなところなのかイメージが持てるよう、わかりやすい特徴をピックアップしてみたいと思います。
認定こども園の特徴
認定こども園の大きな特徴は、保育園型の利用をしている子どもと、幼稚園型の利用をしている子どもが混在していることです。もう少し具体的に言うと、
- 保育園のように朝7時過ぎから夕方まで園を利用する子ども
- 幼稚園のように朝9時頃から午後2時頃まで園を利用する子ども
が、同じクラスで一緒に過ごしているんです。なんとなくイメージができたでしょうか?
保育園型・幼稚園型の双方の利用ができるこども園には、以下のような特徴があります。
【認定こども園の特徴】
- 保護者の就労の有無に関わらず、誰でも入園申し込みができる(ただし保育園型は「保育の必要性」が認められなければ利用できない)
- こども園の先生は、基本的に「保育士」と「幼稚園教諭」両方の資格を持っている
- 保護者主体・参加の行事の軽減が図られている園が多い
- 給食提供の園が多い
- 年度途中に「保育園型利用⇔幼稚園型利用」の移行が可能
- こども園の利用料も無償化の対象
行事については各園により差があり、「保育園よりは親参加の行事が多くて大変」といった意見も聞きます。しかし、一般的な幼稚園に比べると保護者の負担軽減に配慮している園が多いようですよ。
また、保育園型利用の子ども達に対して給食提供の義務があることから、幼稚園型利用の子ども達も含め、昼食は給食提供となっている園が多いです。
お弁当作りがないだけでも、ママには大きな負担軽減になるね。
幼稚園型利用の子ども達は給食なし、午前保育のみで降園っていう園もあるみたいだから、確認してみてね。
こども園のメリットは?
そして、こども園の最大のメリットは、親の就労状況などに変化があっても転園しなくてよい点です。
こども園では、年度途中でも「保育園型→幼稚園型」または「幼稚園型→辞めた保育園型」への移行が可能。ですから、もし途中でママがお仕事を辞めたとしても、利用形態が保育園型から幼稚園型に変わるだけで、園そのものを転園する必要はありません。
また、専業主婦だったママがお仕事を始めた場合にも、役所から「保育の必要性」の認定を受けることで、保育園型利用に切り替えることが可能なんです。
定員などの関係ですぐに保育園型利用への移行ができなくでも、預かり保育の体制は保育園仕様で万全だから心強いわね。
本当に保育園と幼稚園のいいとこ取りね。だったら、いろいろ悩まずにこども園を選択すればいいんじゃないかしら?
ただ、こども園は2006年から創設された、比較的新しい施設。保育園や幼稚園に比べるとまだまだ数が少なく、必ずしも通える範囲にこども園があるとは限らないのが難点。今後さらに数が増えることに期待ですね。
また、こども園でどんなことをしてくれるのか?などカリキュラムや園の雰囲気などは、保育園や幼稚園と同様、各園によって違います。運よくこども園が通える範囲内にある方も、是非実際に足を運び、園の特色をチェックしてみて下さいね。
まとめ
- 保育園は子どもを保育する福祉施設、幼稚園は子どもの教育をする教育機関。
- 保育園は「保育に欠ける子ども」が入園対象。幼稚園は3歳~5歳の子どもであれば、家庭状況に関係なく入園できる。
- 教育に力を入れる保育園、預かり保育を充実させる幼稚園など、最近では双方の差異がなくなりつつある。
- 保育園卒でも幼稚園卒でも学力に差は出ない。
- 幼児教育の無償化により、保育園・幼稚園の利用料について大きな差はなくなっているが、幼稚園は初期費用が高額となる園もあるので要注意。
- 働くママには、通常保育時間の長い保育園が心強い味方。
- 幼稚園は子どもに合った第一希望の園に入りやすく、親の就労状況が変わっても転園しなくてよいメリットが◎
- 入園先の第3の選択肢・認定こども園は、保育園と幼稚園の機能を併せ持つ施設。
保育園と幼稚園、今はどちらも対応の幅を広げ魅力的な特色を持った園が多くあります。そのため、ママとしては選択肢が広がって嬉しくもあり、悩ましくもあり…ですね。
でも、実は私たちが思っている以上に子どもは環境に柔軟なもの。どこの園に入っても楽しめて、そして様々なことを吸収して成長していける逞しさを持っているのかもしれません。
晴れて入園先が決まったら、是非親子で楽しい園ライフを過ごして下さいね。