赤ちゃんがなかなか歩いてくれない。我が子のあんよを楽しみにしているパパやママにとって、これはとっても気がかりなことですよね。
子どもの成長は教科書通りにはいかないもの。分かってはいても、1歳のお誕生日から3ヶ月過ぎ、4ヶ月過ぎ・・・それでも歩き出す気配が感じられないと、「もしかして障害があるのかしら?」と不安も生まれてきます。
そんな不安に向き合うべく、赤ちゃんが歩かないのはなぜか?その原因や、歩き出しの遅い赤ちゃんにはどんなことをしてあげたらいいのか?などについて調べてみました。
赤ちゃんが歩かない原因はなに?
赤ちゃんが歩き出す平均時期は1歳前後と言われています。そのため、1歳のお誕生日を迎えたにも関わらず、赤ちゃんが歩き出そうとしないと、「どうしてうちの子は歩かないのかしら?」と不安になってしまうママは多いものです。
そうなの。うちの子は1歳5ヶ月なのに、まだ歩かなくて。まわりのお友達はどんどん歩き始めているし、やっぱり何か障害があるのかしら?
発育が遅めだと、どうしても障害や病気のことが心配になっちゃうよね。でもね、赤ちゃんが歩かない原因は、他にもいろいろあるんだよ。
体の準備ができていない
大人にとってはもはや当たり前の「歩く」という行為。でも初めてチャレンジする赤ちゃんにとって、「歩く」ことはとっても大変なんです。
歩くには2本の足だけで自分の体を支えなければなりませんよね。しかも、赤ちゃんは体に対して頭が大きい。その頭をしっかり支え、転ばないようにバランスを取りながら、片足を上げ一歩前へ踏み出す・・・
歩くためには、筋力や体幹など、体の準備がしっかりと整っていなければいけません。体の準備ができていなければ、例え1歳のお誕生日を過ぎていても、歩くことはできないんです。
体が大きく体重の重い子は、それだけたくさんの筋力が必要になりますし、普段からはいはいで動き回り全身運動で鍛えまくっている赤ちゃんと、あまり動き回らない赤ちゃんとでは、当然筋力のつき方にも違いがあるでしょう。
そうでなくとも子どもの発育過程は個人差が大きいもの。あなたのお子さんがまだ歩かなくても、今は一歩を踏み出すための準備を着々と進めているところなのかもしれませんよ。
赤ちゃんの歩き出しの時期は8ヶ月~1歳半頃と、実はものすごく幅があるんです。歩く時期の早い遅いの違いについてや、歩く前兆などについては、こちらで詳しくご説明しています。
気持ちが歩くモードになっていない
赤ちゃんが歩かない要因は、もちろん体の発育状態以外にも考えられます。赤ちゃんだって大人と同じ。いろんな性格・タイプがありますし、気持ちがノラない時だってあるでしょう。
きっと赤ちゃんにだって、赤ちゃんなりの言い分があるはず。
立って歩くなんて怖いよ!ヤダヤダ!
はいはい大好き!歩くよりずっと速く動けるし、どこにだって行けるから、歩かなくたっていいんだもーん。
抱っこ抱っこ抱っこ!ママの抱っこが最高ー!欲しいものはママに取ってもらえばいいし、ずーっと抱っこがいい!
などなど。
これまで、ねんね・はいはいで過ごしてきた赤ちゃんにとって、「歩く」ことは獲得必須の技能ではないはずですよね。もちろん、まわりのお友達が歩いているからといって、赤ちゃん自身が焦ることもありません。
ですから是非ママも「もう1歳〇ヶ月を過ぎたのに・・・」と月齢に捉われることなく、我が子がどんなタイプなのか、歩くことに対してどんな気持ちでいるのかに思いを巡らせつつ、赤ちゃんに寄り添ってみて下さい。漠然とした不安がかなり軽減されると思いますよ。
赤ちゃんを歩かせるにはやる気も必要!
赤ちゃんにはそれぞれ赤ちゃんなりの言い分、ペースがあるのでしょうが、なかなか「歩きモードにならない」赤ちゃんには、ママがちょっぴり手を貸してあげると、はじめの一歩に繋がることもあります。
具体的にはどんなことをすればいいの?
赤ちゃんの「やる気スイッチ」をオンにするきっかけを作ってあげるのよ!
大人だって「怖くてやりたくない」と思っていることには尻込みするものですし、全く興味のないことにわざわざ新しくチャレンジ!などはしないですよね?
だから赤ちゃんにも、歩くって怖くない、歩くのって楽しい!と感じてもらい、歩くことに興味をもってもらうことがとっても大事。
ママが手を繋いで歩いて安心感を与えてあげたり、赤ちゃんのお気に入りのおもちゃを使ってみたり。赤ちゃん自身が「歩いてみたい!」と思ってくれるような練習を親子で試してみて下さい。
子どもはとにかく「楽しい」ことなら覚えも早いもの。「やる気スイッチ」がオンになれば、赤ちゃん自ら嬉々として歩き回るようになるかもしれませんよ。
実際に私の娘のやる気スイッチをオンにすることに成功した練習法や、歩行練習をする際の注意点などをこちらで詳しくご紹介していますので、是非参考にしてみて下さいね。
大切なのは、赤ちゃんに「歩く楽しさ」を知ってもらうことよ。歩かせるために練習を無理強いすると、かえって逆効果になっちゃうから気をつけてね。
歩かない時はいつまで様子を見る?
赤ちゃんがなかなか歩き出さなくても、ママは焦らないこと。赤ちゃん自身が歩くための
- 体の準備ができているか
- 「やる気スイッチ」がオンになっているか
などの様子を見ながら、赤ちゃん自身のペースを見守ってあげることが大事です。とはいえ、2歳になっても3歳になっても歩き出さない我が子の自然体を、延々と静観しているわけにもいきませんよね。
多くの赤ちゃんが1歳6ヶ月頃までには歩き出しているという統計もありますので、1歳半の段階でまだ「歩かない」状態であれば、専門機関に相談をしましょう。
子育てはイレギュラーの連続。育児書などを鵜呑みにして不安になり過ぎることはありませんが、赤ちゃんの発達について安易な自己判断もやっぱりNG。発達の状態や支援の必要性のついて、専門家の判断が必要です。
相談機関はかかりつけの小児科や保険センターなど、どこでも大丈夫ですが、1歳6ヶ月といえば、ちょうど健診がありますよね。まずは1歳半健診で相談してみることをおすすめします。
1歳半健診には歩行に関する確認項目も入っていて、いろいろ質問もされるから、こちらからも相談しやすいよ。
とはいえ2歳近くになって突然歩き出した!なんて赤ちゃんの話も耳にしますし、1歳6ヶ月までに歩くか否かはひとつの目安。はいはいをせず、お尻歩きをする「シャフリングベビー」は歩き出しが1歳7ヶ月~2歳頃とも言われているんですよ。
歩かない時は障害や病気の可能性も
赤ちゃんが歩き出しの平均時期を過ぎても「歩かない」場合に、専門機関への相談が必要なのは、その原因として障害や病気の可能性を無視できないからです。
やっぱり障害の可能性もあるわよね。どんな病気や障害が考えられるのかしら?
ママとしては、どんな障害でどんな影響があるのか?ということが一番気になるわよね。
考えられる病気や障害は?
実は、赤ちゃんが歩かない原因は「○○の障害(病気)のため」と一口では言いきれないんです。歩かない要因として考えられる障害や疾患は本当に様々。
例えば、筋・神経系の疾患によって、体を支えることができなかったり、足を動かす等の歩行に関する運動動作が困難になっていたり。他には、股関節の脱臼や足首を傷めていたことが原因だったという赤ちゃんもいます。
また歩行動作を行う上で身体機能的にはなんら問題がなくても、知的障害や何らかの発達障害によって、歩き出しが遅い、歩かない、ということもあります。
同じ「歩かない」という状態の赤ちゃんでも、理由はいろいろなのね。
原因が違えば対応の仕方も違うし、やっぱりパパやママだけの自己判断は禁物だね。
発達障害の診断は1歳半では難しい?
「障害があったらどうしよう?」と不安な一方で、意を決して専門機関に相談をするわけですから、ママとしては我が子の「歩かない」原因について、はっきりさせて欲しいという気持ちもあるでしょう。
しかし、1歳半の段階では「歩かない」要因が障害や病気であるか否かを、必ずしも特定できるわけではありません。特に発達障害などは早期の診断が難しいため、「少し様子を見ていきましょう」となるケースも多いのです。
専門機関に相談しても、障害があるかないか、わからないこともあるのね。じゃあ、やっぱり赤ちゃんが歩き出すまでは不安は尽きないわね。
そうだね。でもその不安をママひとりで抱える必要はないんだよ。
専門機関に相談をすることで、その後はお医者さんや保健師さんといった専門家の人達も、赤ちゃんの成長を一緒に見守ってくれます。もちろん、必要ならばその過程で必要な支援にも繋げてくれるのです。
お子さんが「歩く」に至る過程のどこでつまずいているのか?その原因は何なのか?に目を向けることで、お子さんの特性に適したアプローチを探していくことができますよ。障害の有無や診断の如何に囚われて、不安になり過ぎないで下さいね。
まとめ
- 赤ちゃんがなかなか「歩かない」原因は、歩くための体の準備や気持ちが整っていない、など様々。
- 歩くためには、赤ちゃん自身に「歩くって楽しい!」「歩きたい」とやる気になってもらうことも大事。
- 1歳半になっても歩き出しが見られない場合には、病院や保健センターなどの専門機関へ相談を。
- 「歩かない」原因として、障害や病気の可能性もあり。考えられる障害や疾患は多岐に渡るので、専門家の判断を。
我が子の発達が遅れているかも?という懸念は、ママにとてつもなく大きな不安をもたらしますよね。ですが、赤ちゃんの歩き出しが遅い理由は本当にいろいろ。ぜひ、赤ちゃんなりの“言い分”に思いを寄せてみて下さい。
それでも不安がどんどん膨らむ時には、一切の遠慮は不要です!迷わず専門機関に相談しましょう。ひとりで抱え込んでいた不安を手放したら、日々懸命に成長しているお子さんの元気な姿がきっと目に入ってきますよ。