昼間のオムツは外れているのに、夜はなかなかパンツにできない。おねしょは子供のオムツ完全卒業を阻む大きな壁ですよね。
おねしょはいつまで続くの?どうしたらおねしょをしなくなるの?ママの悩みのタネである、おねしょにまつわる疑問にまとめてお答えします!
おねしょの仕組みを知れば、夜のオムツ外しのポイントも明確になり、オムツ卒業までストレスフリーにお子さんに寄り添うことができますよ。
トイトレでは夜のオムツは取れない!
トイレトレーニングが進み、日中は危なげなくパンツで過ごせるようになったのに、夜はおねしょが続いてまだまだオムツが手放せない・・・昼夜でオムツの外れる時期にズレがある子供は決して珍しくありません。
そのため「夜のトイレトレーニングの進め方」に悩んでいるママも多いですよね。
そうなの。昼間のオムツはとっくに取れているのに、夜は毎晩オムツがぐっしょり濡れるくらいおしっこをするから、パンツにできなくて。夜のオムツを取るにはどうしたらいいのかしら?
実は、夜のオムツを取るためにトイレトレーニングは必要ないんです。
そもそも「トイレトレーニング」とは、トイレでの排泄動作の一連をひとりでできるように練習すること。昼間のオムツが取れているということは、
- 「おしっこがしたい」という尿意を感じて、自分でトイレに行ける
- パンツを下げるなどの動作ができ、衣服を汚すことなくトイレでおしっこができる
といった排泄動作が既にできているということですよね。この動作は、昼も夜も、真夜中でも明け方でも何ら変わるものではありません。つまり、夜のオムツを取るために新たに教えたり練習するようなことは何もないのです。
夜のオムツが取れないのは「おねしょをする」から。 だって、パンツにおねしょをされてしまうと、パジャマも布団も大惨事になってしまいますものね。 逆に言えば、おねしょさえなくなれば、夜のオムツは卒業できるということ。
どうしたらおねしょをしなくなるのか?いつまで待てばいいのか?夜オムツ卒業のために必要なことは、トイレトレーニングではなく、おねしょの仕組みをきちんと理解しておくことなんです。
どうして子供はおねしょをするの?
おねしょとは「寝ている間におもらしをしてしまう」こと。 ぐっすりと深い眠りの中にある子供が、「あ!おしっこが出る!」と自ら起き出し、昼間と同じようにトイレに行くのはとても難しいのです。
でも、大人は就寝してから朝起きるまで、基本的にはトイレに行かなくても平気よね?どうして子供は眠っている間もおしっこをするのかしら?
子供が夜おしっこをするのは、睡眠中の排尿を調節する機能がまだ未発達だからなんですよ。
睡眠中の排尿を調節してくれているのは、こちらの2つ。
- 抗利尿ホルモンの分泌
- 膀胱の大きさ
抗利尿ホルモンは、濃いおしっこを作り、体外へ排出する水分量を減らしくれます。要するに、この抗利尿ホルモンの働きによって睡眠中は昼間に比べて作られるおしっこの量が少なくなるんですね。
そして、もうひとつ大事なのが膀胱の発達。どんなに抗利尿ホルモンが頑張ってくれても、膀胱自体が小さければ、すぐに満タンになってしまいます。睡眠中に作られるおしっこを溜めておけるよう、膀胱が大きく育つことが必要なんです。
夜オムツ卒業のためには、この2点の『おねしょ抑制機能』の獲得が必須であることをしっかりと覚えておきましょう。
夜にトイレに起こすのはNG!
夜オムツの卒業は「焦らない・怒らない・起こさない」が鉄則とされています。
おしっこが出ちゃうのは生理現象だから、焦ったり怒っても仕方ないのはわかるけど、どうして起こしちゃダメなの?夜中にトイレに連れて行けば、夜のオムツが早く外せるんじゃない?
おねしょの対抗策として誰もが一度は考えるのが、「子供を起こしてトイレに連れていく」こと。おばあちゃん世代にはこの方法を実践された方も多く、お母様やお姑さんから提案されたというママもいらっしゃるかもしれませんね。
しかし、おねしょ抑制機能を獲得しない限り、夜のおしっこはなくなりません。そして、お子さんが自ら目を覚ましてトイレに行くのでないなら、それはママの尽力によりパンツが濡れるのを回避できているだけ。
眠っている子供を起こしてトイレに連れて行っても、おねしょ卒業には至らないのです。
それどころか、睡眠中の子供を途中で起こすことで、かえっておねしょの卒業を遅らせてしまうことにもなりかねません。
おしっこの量を抑えてくれる抗利尿ホルモンは、深い眠りが続くことによって順調に分泌されます。 つまり、子供の眠りを遮ってしまうと、この抗利尿ホルモンが充分に分泌されなくなってしまうのです。
また、夜しっかり熟睡することで成長ホルモンの分泌が促されますので、眠りを妨げるのは子供の発育上にもマイナス。子供の成長にとって、深い睡眠はとっても大事。おねしょをさせないことよりも、ぐっすり眠らせてあげることを優先してあげましょう。
成長とともに、夜間のおしっこの量が抑制されるだけでなく、子供も膀胱がいっぱいになれば、ちゃんと目を覚ませるようになりますよ。
おねしょはいつまで続くもの?
おねしょの卒業は、子供の体の発達次第ですから「焦らず騒がずじっくり待つ」しかありません。ですが、体の発達度合いは個人差があるので、子供によっておねしょの抑制機能を獲得する時期はバラつきがあります。
「○○ちゃんも△△ちゃんも、もうおねしょをしないのに・・・」と、お友達と比べて不安になってしまうこともありますよね。我が子のおねしょを心配し過ぎることのないよう、おねしょ卒業時期の目安を確認しておきましょう。
年齢別おねしょ率
画像引用オヤスミマン
実は、おねしょをしてしまうのは低年齢のことだけではありません。上のグラフを見ると、4歳では約4割強、5歳でも3割くらいの子供達がおねしょをしています。
日中のオムツは3歳前後に外れるお子さんが多いので、つい「いつまでたっても夜のオムツが外せない!」と思ってしまいますが、これを見れば、焦る必要は全くないことがわかりますね。
ママが焦ってしまうと、お子さんにもプレッシャーがかかり、外れるオムツも外れなくなってしまいます。歩き出しや喋り始めと同じように、夜オムツの卒業も、お子さんのペースを見守ってあげて下さいね。
5歳過ぎのおねしょは受診が必要?夜尿症とは?
おねしょは、成長とともに自然に消失していくので、あまり神経質にならなくても大丈夫なのですが、年齢を重ねてもおねしょの頻度が高い場合には「夜尿症」と診断され、治療や訓練が必要となることがあります。
もちろん、5歳以降におねしょをしていても、必ずしも病気や発達に問題があるというわけではないんですよ。また、「夜尿症」と診断されても、経過を見ているうちに自然とおねしょがなくなることもあるんです。
おねしょが取れていないと、保育園や幼稚園のお泊り会、小学校でも宿泊学習など、大きくなるにつれ、不安の種も増えていきますよね。
親子で不安を抱え込まないためにも、5歳を受診の目安として、まずはかかりつけ医の先生に相談してみましょう。
夜パンツデビューのベストタイミングは?
おねしょがあるうちは、やはりパンツを履いて寝るのはハイリスク。濡れた衣類やらシーツやらを始末するママも大変ですし、結局子供の安眠を妨げてしまうことになってしまいます。
ですから、夜のパンツデビューは、おねしょ卒業後からがベスト。具体的な目安は、朝起きた時にオムツが濡れていない日が10日間続いたら。これがオムツからパンツへ切り替えのゴーサインです。
ゴーサインが出るまではオムツを履いて寝た方が、親子共々ぐっすりと朝まで眠れるからストレスフリーなの。
おねしょの可能性があるうちはパンツじゃなくてOK!と割り切って夜オムツ卒業に臨んだママ達からは、シーツや布団へのおねしょ被害ゼロ報告も多く上がっているんですよ。
昼間のトイレトレーニングを始める際に「もうお兄ちゃん(お姉ちゃん)だからパンツにしよう」といった声掛けをされてきたママも多いと思いますが、昼と夜はベツモノという認識を親子で持ちましょう。
お子さんにも「○○ちゃんの体は、まだ寝ている間にもおしっこを作っているんだよ。夜おしっこが出るうちは、オムツの方がぐっすり眠れて、元気な体が作れるんだよ」というように、「オムツを履いても恥ずかしくない」と思えるような言葉かけをしてあげられるといいですね。
昼間のオムツ外しと夜のオムツ外しはベツモノなのですが・・・ママの焦りやイライラ発生の構図だけは何故か同じ(笑)
どうしてもオムツが取れないことをストレスに感じてしまうママは、イライラ解消のヒントをこちらで見つけてみて下さいね。
オムツ卒業後も「漏れ防止」対策で安心!
ママがどんなに言葉を尽くしても、そこは既に昼間のオムツが外れている、お兄ちゃん・お姉ちゃん。「夜もパンツがいい!」というお子さんもいるでしょう。
ママとしてはひやひやですが、子供がオムツを嫌がるようであれば、できればその意志は尊重してあげたいものですよね。
また、無事に夜オムツ卒業を果たした後でも、例えば水分を摂り過ぎや心理的な要因などで、時にはおねしょをしてしまうのは、子供にはよくあること。ママもすっかり気を緩めていたところに「わ、シーツに地図が!」なんてハプニングも起こり得ます(笑)
そんな夜のパンツ生活がまだ不安定なお子さんには、漏れ防止グッズで対策をしておくと安心です。
お泊り会も安心!おねしょパンツ
まだ時々おねしょはあるけれど、夜のオムツは卒業したい!というお子さんには、おねしょパンツがおすすめです。
子供が大きくなるにつれ尿量も増えてきますから、夜用パンツは吸収力が大事。こちらはとにかく「漏れない!」と評判の吸収力バツグンのおねしょパンツなんです。しかもトレーニングパンツと違い、おしっこをしても濡れた感じがないので、朝までぐっすり眠ることができます。
「お泊り会でのおねしょが心配だけど、オムツは恥ずかしい」という時にもこれなら安心だね。
おねしょから寝汗まで!防水シーツ
もう夜オムツはほぼ卒業、おねしょパンツを履くほどではないけれど、やっぱりまだちょっと不安・・・というママは、防水シーツで備えましょう。
防水シーツは、布団やマットレス全体をすっかり覆うことができるサイズを選ぶことがポイント。
ベビーベッドなどに使っていた小さいサイズのものだと、どんなに狙いを定めて敷いても、どういうわけか子供は確実にシーツをよけておねしょするするのよね(笑)
防水シーツはおねしょだけじゃなくて、子供の寝汗からもお布団をガードしてくれるから重宝だよ!
夜オムツ卒業をサポートする3つのポイント
おねしょはトレーニングでとれるものではなく、体の成長・発達に左右されるもの。従って夜オムツの卒業は、「焦らず騒がず子供の体の準備ができるまでじっくり待つ」でしたよね?
しかし「機が熟すまで何もできない」というわけではありません。日々の生活のちょっとしたことに配慮することで、ママは夜オムツ卒業をサポートすることができるんですよ。
お子さんが、さらさらパンツで朝までぐっすり眠れるよう、是非力を添えてあげて下さい。
生活リズムを整える
早寝早起き、日中は体を動かして元気に遊ぶ。規則正しい生活は全ての基本ですが、夜オムツの卒業も例外ではなく、この基本がとっても大事。
おしっこの量を減らしてくれる抗利尿ホルモンは、規則正しい生活を送り良質の睡眠をとることで分泌されやすくなるんです。
おねしょがなくなる気配がないというお子さんは、就寝時間が遅くはないでしょうか?朝はちゃんと起きられていますか?そういえば・・・と思い当たるなら、無理のない範囲で少しずつ生活リズムを整えていきましょう。
また一方で、精神的なストレスがかかると抗利尿ホルモンの分泌は妨げられてしまいます。
「おねしょをしちゃいけない」って意識し過ぎると、それがストレスになって逆効果になっちゃうかもしれないわね。
子供がおねしょするのは当たり前。肩の力を抜き、親子でのんびり構えていた方が、案外オムツ卒業への近道かもしれません。
トイレに行かせ過ぎない
トイトレを始めて日中をパンツで過ごすようになると、失敗しないようにと「トイレは大丈夫?」「一応トイレに行っておこう」と、ついつい頻繁に子供をトイレに誘いがちですよね。
ですが、トイレに行く回数が多いと、膀胱がおしっこでいっぱいになる機会を作ることができません。その結果、膀胱の発達を妨げてしまうのです。
膀胱を大きくするには、おしっこをしっかり溜めてからトイレに行く、つまりトイレに行かせ過ぎないことが大事なんです。
もちろん、子供におしっこを我慢させることはないけれど、ママが先回りして頻繁にトイレに行かせ過ぎないように気をつけてみてね。
水分&塩分の摂取は適量キープ
抗利尿ホルモンの分泌や膀胱の大きさが充分であっても、摂取する水分量が多すぎれば、もちろんおねしょに繋がってしまいます。水分を摂り過ぎに注意するとともに、寝る前にはトイレに行くことを習慣づけるといいですね。
また、塩分の摂り過ぎも要注意。大量の塩分を摂ると、体の外に塩分を出そうとして、おしっこがたくさん作られてしまうんです。子供は濃い味が大好きですが、塩分過多にならないよう、日々の食事の味付けを見直してみましょう。
就寝前の水分の摂り過ぎはNGですが、寝る前に水分をとってはダメ!ということではありません。睡眠中の発汗量は多く、体からは多くの水分が失われています。
特に子供は脱水のリスクが高いので、おねしょを恐れて水を飲ませないのはとても危険です。適切な水分量の摂取であれば、おねしょに繋がることはありませんので、正しい水分補給について是非確認してみて下さい。
まとめ
- 夜のオムツ外しにトイトレは必要なし!「焦らず、怒らず、起こさず」がポイント。
- 子供の体が発達し①抗利尿ホルモンの分泌、②膀胱の容量という2つの『おねしょ抑制機能』を獲得することで、おねしょは卒業できる。
- おねしょ卒業時期は発達に応じて個人差あり。5歳過ぎてもおねしょの頻度が高ければ受診の目安に。
- 夜のパンツデビューは、おねしょ卒業後がベスト。
夜のオムツは外すものではなく、自然に「外れる」もの。ママも頑張り過ぎず、いずれ迎えるオムツ卒業の日を楽しみに待っていて下さいね。