歯がたくさん生え揃い、食事やおやつもしっかり食べるようになる1・2歳児。成長も感じ嬉しいことではありますが、それと同時に心配になるのは虫歯のリスクですよね。
虫歯予防には歯磨きが基本中の基本…とは言っても、子供の歯磨きは一筋縄ではいきません。さらに、1・2歳児というと魔のイヤイヤ期が始まる時期。歯磨きを嫌がって口を開けてくれないなど、楽しく歯磨きができないと悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
そこで、歯磨きを嫌がる子供にストレスを感じてしまっているパパママへ、1・2歳児が楽しく歯磨きできるようになる対処法を伝授します!
子供が歯磨きを嫌がる理由は?
歯ブラシを見た瞬間、「イヤ!」と拒否されたり、仕上げ磨きをしようとすると絶対に口を開けようとしなかったり…。そんな歯磨き嫌いの子供に毎日付き合うのは本当に大変ですよね。
しかし子供は、なにも理由なしに歯磨きを拒否しているわけではないのです。
そもそもイヤイヤ期は、「イヤ」という言葉で自分の欲求や気持ちを通そうとしていることが原因。そのため、「歯磨きイヤ!」の言葉の裏には、子供なりの様々な理由があることを知っておかなければいけません。
子供の気持ちを無視して頭ごなしに怒ってしまえば、状況は悪くなるばかり。上手に対応するために、まずは歯磨きを嫌がる子供の気持ちを探っていきましょう。
口の中を触られたくない
滅多に触られることのない口の中。さらに、鏡でも使わない限り自分では見ることができない場所でもあります。そこに、固い歯ブラシが入ってきて縦横無尽に動かされたらどうでしょう?
1・2歳児はまだ歯磨きの意味をしっかり理解できていない子も多いので、見えないところで何をされているのか不安に思っているかもしれません。すると恐怖感が高まってしまい、歯磨き嫌いへと繋がってしまうのです。
このような場合は、まずは歯ブラシに慣れさせるところから始めましょう。不安に思って嫌がる子供に、無理矢理歯磨きをさせないよう注意してくださいね。
もしまだ歯ブラシに不慣れなようであれば、初心に戻ってみるのもあり。歯磨きを始める時のコツから学んでいきましょう。
歯ブラシが痛い
仕上げ磨きをする時、ついつい力が入ってしまってはいませんか?力が入りすぎると口内を傷つけてしまうこともあるため、もしかしたら磨く力が強すぎて子供が痛がっているのかもしれません。
自分の歯も力を入れて磨いているという方も多いかもしれませんが、実は歯磨きにかける力はそれほど必要ないんです。重さで言えば、100~150g程度。歯ブラシの毛先が広がらないようにすることを意識しましょう。
子供が一番痛みを感じるのは、上唇と歯茎を繋いでいる“スジ”の部分。前歯は神経が多く敏感な場所でもあるので、痛がって途中終了とならないよう、なるべく前歯は最後に磨くようにするのがコツです。
また、歯茎に当たってしまうのも痛がる原因となるため、唇を持ち上げて口内が見えるようにするなど、しっかり目で確認しながら行うといいですね。
他にやりたいことがある
歯磨きを嫌がらずにしてもらうには、子供のタイミングにも注意するようにしましょう。
歯磨きは、出かける前や寝る前など、決まった時にさせることが多いかと思います。しかし、その歯磨きタイムが子供が遊んでいる最中だったり、眠くてぐずっていたりしているなら要注意。
タイミングが悪いと、子供がこのように主張してきます。
(いま遊んでいるから)歯磨きイヤ!
(眠くてもう寝たいから)歯磨きイヤ!
タイミングが悪い時に歯磨きをさせようと思っても、イヤイヤが作動して高確率で言うことを聞いてくれません。
そのため、なるべく子供の機嫌がいい時を見計らって歯磨きタイムを設けるなど、少しだけ時間帯にも配慮してみましょう。また、遊んでいる最中なら「この絵本を読み終わったら歯磨きしようね」などの声掛けが有効ですよ。
口を開けているのが疲れる
歯磨き中に長い間口を開けていることも、1・2歳児には結構な負担。最初は素直に口を開けているのに、終盤になると急に嫌がりだす…という場合は、もしかしたら口を開けていることに疲れてしまっているのかもしれません。
そこで、歯磨きの時間は長くても2分程度に収めるようにしてみましょう。あまり長すぎると、顎の疲れだけではなく、飽きて言うことを聞かなくなってしまうこともあります。
ですが、子供が虫歯にならないように…と思うと、念入りに仕上げ磨きをしてあげたくなりますよね。そんな時は、虫歯になりやすい部位を特に意識して磨くようにしてみましょう。
このような場所は歯ブラシが隅々まで届きにくいため、磨き残しが起きやすくなってしまいます。子供が嫌がっている時でも、せめて虫歯になりやすい場所だけはしっかり磨けるよう意識してみるといいですね。
歯磨き中のパパママが怖い
子供のためを思って仕上げ磨きをしているのに、当の本人は全力で拒否…。これが毎日、食事のたびに続くのはかなりのストレスですよね。
しかし、嫌がる子供を抑えて必死に仕上げ磨きをしているパパやママは、もしかしたら子供にとってはすごく怖い存在になっていることも…。それでは楽しい歯磨きからは遠のいてしまいます。
そのため、歯磨きをする時はなるべく楽しい雰囲気で行うのが理想。ですが、歯磨き嫌いな子供とどうやって楽しく歯磨きをすればいいのかと悩むパパママは多いはず。
そこで、子供が歯磨きを楽しいと思えるような方法をいくつかご紹介していきます。ぜひ、今日の歯磨きタイムから取り入れてみてくださいね。
子供の歯磨き嫌い対策法7選!
歯磨きを嫌がる子供と楽しく歯磨きできるようになるには、いくつかの工夫が必要です。
しかし、特に難しいことはしなくても大丈夫。キーワードは、『楽しい雰囲気作り』です。ぬいぐるみや絵本などを活用し、コミュニケーションをたくさん取りながら歯磨きを行えるよう意識してみましょう。
今回は、現に娘の歯磨き嫌いに悩まされている私が、実際に試して効果のあった方法を7つ紹介していくよ!
やわらかい表情を心がける
子供は、私たちが思う以上にパパママの表情を常によく見ています。パパママが笑顔でいれば安心できますし、逆に眉間にしわが寄った表情をしていれば不安でいっぱいになってしまうのです。
そのため、「歯磨きは楽しいものだよ」と子供に教えるには、まずはパパとママが楽しい雰囲気で歯磨きを行わなくてはなりません。意識して笑顔を作ったり声色を高くしたりと、やわらかい表情作りをしてみましょう。
とは言っても、のけ反って拒否する子供についついイラッとしてしまうことも多くありますよね。そんな時は、一旦歯磨きは休憩してこちょこちょなどで場を和ませてみるのもありです。
ある時、時間のない朝の歯磨きよりも、ゆとりを持って行える夜の歯磨きの方が言うことを聞いてくれやすいことに気付いたの。もしかしたら、私の表情や雰囲気が関係しているのかな…と思ったら大当たり!
朝もなるべく心に余裕を持って歯磨きをするようにしてみたら、最近は上手に口を開けてくれることが多くなったよ!
歯磨きタイムは音楽や動画を活用
1・2歳児の歯磨き拒否は、たくさんの子供とパパママが経験すること。そんな世の歯磨き嫌いの子供たちに楽しく歯磨きをしてもらうため、昔から数多くの歯磨きに関する歌があるのはご存知ですか?
それらは、LINEミュージックやYouTubeなどに配信されており、いつでもどこでも聞くことができるんです。
我が家では、娘がどうしても歯磨きをしてくれない時には、YouTubeで動画を見せながら歯磨きをすることもあります。もし、「子供に動画はあまり見せたくない…」ということであれば、音楽だけ流して聞かせてみてもいいですね。
この動画活用法は僕がよく使っているよ!子供向けの音楽は1~2分程度の短い時間だから、子供も疲れずちょうどいい時間で歯磨きを終えることができるんだ。いくつかおすすめの歯磨きソングを紹介するから参考にしてみてね!
はみがきじょうずかな
NHK Eテレの子供向け番組「おかあさんといっしょ」でお馴染みの歌、『はみがきじょうずかな』。約40年間も続く長寿コーナーなので、この歌で自分も育った!というパパママも多いのではないでしょうか。
軽快な音楽で楽しく歯磨きできる『はみがきじょうずかな』は、仕上げ磨きタイムもあるのがポイント。子供が自ら「ママ~」と呼んで横になってくれるので、楽しい雰囲気のまま仕上げ磨きができますよ。
はみがきジョーズ
NHK「おかあさんといっしょ」で「パント!」のおねえさんを務めた上原りささんが、2020年1月に歌手デビュー。そのデビュー曲である『はみがきジョーズ』が、我が娘にはかなり好評です。
覚えやすい歌詞やリズム、かわいいサメの映像など、子供ウケする要素たっぷりなこちらの歌。歌に合わせて、前歯→右の歯→左の歯→奥歯→うがいへと誘導…と、楽しくスムーズに歯磨きを終えることができますよ。
はみがきのうた
SNSなどでも、多くのママたちが大絶賛している『はみがきのうた』。ついつい口ずさんでじまうかわいい歌詞にも注目ですが、その効き目の高さが評判となっています。
実際に、我が娘もこちらの動画を見ると大人しく磨いてくれることがほとんど。その理由は、バイキンの存在や虫歯になるとどうなってしまうのかを理解できたおかげではないかと思います。
これまで、「バイキンさん来ちゃうから歯磨きするよ!」と言ってみてもまったく無反応だった娘…。しかし、動画を通してお口の中にはバイキンがいること、歯磨きでバイキンをやっつけられることを学べたんですね。
絵本を読んでイメージ作り
1・2歳児は、絵本が大好きな子が多いですよね。
絵本というと楽しいストーリーを思い浮かべますが、子供向けの絵本はたくさんの種類があります。中には、生活習慣を学べるような絵本も多数出版されていて、もちろん歯磨きについての絵本もたくさんありますよ。
例えば、しかけ付きで動物たちに歯磨きをしてあげるような絵本や、主人公が虫歯になってしまうことで歯磨きの大切さを学べるような絵本など。
娘のお気に入りは、『はみがきれっしゃ』。列車に見立てた歯ブラシに興味を持ってくれるし、口の中をどんどん綺麗にしていく様子も楽しいみたい!
1・2歳児に「虫歯は怖いよ」「歯医者さんに行く方が痛いよ」と言葉で言ってもなかなか理解してもらえません。それなら、子供が大好きな絵本を用いて楽しく歯磨きについて理解させてみてはいかがでしょうか。
ぬいぐるみと一緒に歯磨き
いつも仕上げ磨きをされる側の子供ですが、たまにはパパママになりきって自分でも歯ブラシを動かしてもらいましょう。
そのお相手は、お気に入りのぬいぐるみ。おままごと遊びが好きなお子さんには特におすすめの方法で、きっと喜んで歯磨きの練習をしてくれますよ。
ぬいぐるみでの歯磨きの練習が終わったら、「ぬいぐるみさんも歯磨きしたから、○○ちゃんも歯磨きしようね」と声掛けするの。そうすると、素直に横になってくれることが多いよ。
ぬいぐるみの他にも、パパやママの歯をお子さんに磨いてもらうのもいいですね。楽しく磨き合いっこをしていれば、お子さんの歯磨きへの恐怖・不安が徐々に薄れていくかと思います。
鏡で口の中を見せる
子供は、鏡を見るのが大好きですよね。その鏡を仕上げ磨き中に持たせて、口の中が見えるようにしてみましょう。
すると、歯ブラシで口の中を綺麗にしていく様子がしっかり分かり、不安を感じずに歯磨きができます。磨き残しがあれば目で見ることもできるので、「ここをもっと綺麗にしようね」という声掛けも有効ですよ。
鏡は手で持てるものならなんでもOK!だけど、持ち手が付いた鏡なら、子供の小さい手でも持ちやすくておすすめだよ。
にっこり顔がかわいいこちらの鏡は、娘が0歳の時に買ったおもちゃです。赤ちゃんの頃は、鏡に映る自分が大好きでよく遊んでいましたが、大きくなった今でも歯磨きで活躍してくれています。
他にも、0歳から長く遊んでくれているおすすめのおもちゃがたくさんあります。下の子の誕生や出産祝いなどの参考に、こちらの記事もあわせてどうぞ。
仕上げ磨きはスキンシップの時間
楽しい時間を作り出すには、親子でのスキンシップがとても大切です。
しかし、「虫歯にさせてはいけない」という思いから、どうしても歯磨きタイムを義務的に感じてしまう方が多いと思います。その結果、子供を抑えて歯を磨くなど、楽しい時間とは程遠くなってしまうことも。
そんな時は、『歯磨きは遊びの一環』くらいの軽い気持ちを持ってみましょう。
特に、仕上げ磨きは「親子でのスキンシップを取る貴重な時間だ」という意識を持つことが大切です。歌を歌ったり、お話ししたり、思わず子供が笑ってしまうような時間づくりを心がけるといいですね。
私は、よくお話ししながら仕上げ磨きをしているよ。「今日○○したね~」と1日を振り返ったり、「好きな動物はなに?」と質問してみたり。娘が答えたくなるような話題を、思いつくままに話してます。
応援&褒め言葉でモチベーションアップ!
子供にとって、褒められることはとても嬉しいこと。褒められたいから頑張りますし、褒めてもらうことで自信を持ち、次も意欲的に取り組もうとする気持ちが育ちます。
そのため、歯磨きを終えることができたら「すごいね!上手だね!」とたくさん褒めてあげましょう。言葉掛けと同時に、抱きしめたり撫でたりするのもおすすめですよ。
また、自分で磨くときやうがいをする時などは、「〇〇ちゃん頑張れ!」と応援してあげるのも効果的です。応援することでやる気スイッチを押すことができるので、自分で一生懸命磨いてくれますよ。
応援&褒める作戦でもやる気スイッチを押すことができない時は、「○○ちゃんが歯磨きしているところ見たいな~」とおねだりしてみます。そうすると、娘の場合はすぐに歯磨き開始!作戦に引っかかってくれた娘の様子を見て、私はニヤリ顔で「すごーい!」と褒めるのです(笑)
まとめ
- イヤイヤ期の1・2歳時には、何かしら歯磨きを嫌がる理由がある。
- 歯磨き嫌いを克服するには、楽しい雰囲気作りが重要。
- 嫌がる時は、一旦歯磨きを休憩して笑わせてみるのもあり。
- 応援&褒め言葉が子供のやる気をアップさせる。
- 歯ブラシは子供に合ったものを選ぶ。
- 歯磨き粉は必ず使わなくてはいけないものではない。
- ご褒美タブレットで楽しく歯磨き嫌いを克服!
子供のことを思うと、どうしても無理矢理にでもやってしまいたくなる歯磨き。しかし、押さえつけてやってしまえば、歯磨きへの恐怖心が高まってますます嫌がってしまいます。
コミュニケーションを取ったり、時には遊びながら磨いたり。まずはパパとママが、楽しく、そして気負い過ぎずに歯磨きをすることを心がけましょう。そうすれば、きっと笑顔で歯磨きができるようになりますよ。