歯の健康のためには欠かせない歯磨き。しかし、赤ちゃんの歯磨きはいつから始めればいいのか、どう磨くのが正解なのか、など戸惑うことが多いですよね。
そこで、今回は赤ちゃんの歯磨きのやり方についてご紹介します。歯磨き粉を使うベストタイミングや、様々な虫歯予防法もご紹介するので、ぜひ参考にして下さい。
赤ちゃんの歯磨きはいつから始める?
“歯磨き”とは、その言葉通り、 歯ブラシなどを用いて歯や歯茎についた汚れを落とし、歯をきれいにすることを言います。そのため、1本でも乳歯が生えてきたら赤ちゃんの歯磨きを始めていきましょう。
その乳歯が生えてくる時期は、平均で生後6ヵ月頃から。下の前歯から生え始め、2歳6ヵ月頃には全部で20本の歯が生え揃います。
また、歯が生えてくるときは、歯茎のむずがゆさから口をブーブー鳴らしたり、 歯固めや服などをよく噛むようになる子が多くいるようです。
さらに、歯が生えてくる時期になると、よだれが多く出てくるのも特徴。 このようなサインが見られたら、「そろそろかな?」と思い始めていいかもしれませんね。
ただし、歯が生えてくる時期やサインは個人差があるもの。 実際に、私の娘に歯が生えてきたのは8ヵ月頃と少し遅めだったし、よだれもだらだらと出るような子ではなかったよ。
私の子はとても早くて、3ヶ月頃から生え始めたの。授乳中に噛まれてすごく痛かったのをよく覚えてるよ。
このように、平均とは違った歯の生え方でも、あまり心配することはありません。
赤ちゃんの発達全般に言えることですが、周りの子と比べてストレスを溜めてしまうのではなく、「この子の個性なんだ」と大らかな気持ちで育児を楽しめるといいですね。
こちらには、0歳児の成長過程をまとめています。歯の生え初めだけではなく、寝返りも歩き始めもすべてが平均よりも遅かった我が子。しかし、何の問題もなくすくすくと成長しています。
歯磨きの回数やタイミングの目安は?
「歯磨き=毎食後」と思いがちですが、実はこれは大人の場合。歯磨きデビューしたての赤ちゃんは、1日1回でもしっかり磨けていればOKなんです。
歯磨きデビューして間もない時期は、まずは歯磨きに慣れることが大切。
赤ちゃんは口の中を触られることに慣れていないため、始めは多くの子が歯磨きを嫌がります。しかし、ここで無理矢理に歯磨きを行ってしまえば、極度の歯磨き嫌いにさせてしまうことも…。
歯磨きが嫌いになってしまうと、 そのあと歯磨きを習慣づけることが難しくなってしまいますよね。そうならないために、赤ちゃんの機嫌がいい時を見計らって、 少しでも楽しく歯磨きを行うようにしてみましょう。
始めは1日1回だけの歯磨きでも、慣れてきたら徐々に食後に歯磨きをする習慣をつけていくといいですよ。
1日1回の歯磨きタイムにおすすめの時間帯は、夜寝る前です。 虫歯菌は唾液の減る夜中に増殖するので、寝る前に汚れをしっかり落としておくと、1回だけの歯磨きでも虫歯のリスクを減らすことができますよ。
もし赤ちゃんが歯磨きを嫌がったり、成長とともに歯磨きを強く拒むようになってきたら、こちらの記事を参考にしてください。楽しく歯磨きを行うための方法を紹介しています。
赤ちゃんの歯磨きのやり方!
乳歯が生えてきたら、歯磨きのサイン…とは言っても、最初から歯ブラシを使って歯を磨く必要はありません。
歯の生え始めは、まだ歯が生えていない部分が多いですよね。そこに歯ブラシが当たってしまうと、赤ちゃんが痛がって歯磨きを嫌がるようになってしまうかもしれません。
ですから、赤ちゃんの歯磨きは、乳歯の生え方に合わせて段階的にやり方を変えていきましょう。そこで、乳歯の生え方と共に、上手な歯磨きの仕方をご紹介していきます。
生え始めはガーゼ磨きからスタート
歯磨きデビューをする時は、まずはガーゼを使った歯磨きを取り入れていきましょう。
ガーゼを指に巻いて水やぬるま湯で濡らしたら、歯の汚れを拭き取るイメージで優しく歯を磨いていきます。
忘れがちな歯の裏側や、まだ歯が生えていない歯茎の部分も行うことで、より口内を清潔に保つことができますよ。
また、ガーゼ磨きはまだ歯が生えていないうちからスタートしても問題ありません。むしろ、早いうちから口の中を触られることに慣れていると、 しっかり生えてきたときに嫌がらずに歯磨きをすることができます。
ミルクや離乳食で口内に汚れが付着するのが気になる時は、歯の生え始めに関わらずガーゼで優しく拭き取ってあげるといいでしょう。
前歯が揃ったら歯ブラシを
下の前歯が生えてしばらくすると、次は上の前歯2本が生えてきます。このように、上下の前歯が生え揃ったら、ガーゼから歯ブラシに移行するサイン。いよいよ本格的な歯磨きのスタートです。
ただし、意気込んであまり強く磨きすぎてしまうのはNG。
歯ブラシは力を入れずに軽く持ち、振動させるようなイメージで動かします。 赤ちゃんの歯はゴシゴシこすらなくても汚れが落ちるので、安心して優しく磨いてあげてください。
また、赤ちゃんが歯磨きを嫌がって途中終了になることも多々あるでしょう。そんな事態に備えて、磨く順番にも気を付けてみるといいですよ。
その順番とは、まず一つは上の歯を先に磨くこと。上の歯は、汚れを洗い流す役割を持っている唾液に触れづらく、汚れが付着しやすくなっています。
このことから、下の歯よりも上の歯の方が虫歯になりやすい傾向があるため、嫌がる前に上の歯を先に磨いてしまうのがおすすめです。
さらに、特に虫歯になりやすい歯の裏側や隙間、歯と歯茎の間などを意識するようにしてみましょう。 また、奥歯が生えてきたら噛み合わせ部分にも要注意。歯全部を磨こうと頑張らなくても、最低限この部位だけは磨けたらOKと気軽に考えてくださいね。
1歳からは自分磨きをスタート
赤ちゃんの頃は、危険性を避けるためにパパやママが磨いてあげることが多いかと思います。しかし、成長に応じて自分でも歯ブラシを持って磨く習慣をつけさせましょう。
ただし、自分で磨かせるとどうしても最初はうまく磨くことができません。上手に手を動かせず、ただ噛んでいるだけ…という状態になるのではないでしょうか。
そんな様子を見ていると、どうしても手を出したくなってしまいますよね。しかし、そこはぐっと堪え、本人のやる気を尊重してあげましょう。
自分で歯ブラシを動かしながら正しい磨き方を教えていけば、だんだんと上手に磨くことができるようになります。そんな成長の様子も楽しみながら、親子で楽しい歯磨きタイムを過ごせるといいですね。
ただ、もちろん磨き残しがあると虫歯のリスクが高まってしまうため、最後はパパやママが仕上げ磨きを忘れずに行ってくださいね。仕上げ磨きは、小学校低学年くらいまで行うのがベストだとされています。
赤ちゃんに歯磨き粉は必要?
歯磨きをする時、歯ブラシの他に歯磨き粉を用いる方も多いと思います。
歯磨き粉は、汚れを落としやすくする効果があったり、口臭予防にも役立ったりと、歯磨きの必須アイテムですよね。しかし、歯磨き粉を使うとブクブクと泡が立つので、赤ちゃんに使うのはまだ早い気がします。
では、歯磨き粉はいつから使うのが正解なのでしょうか?
うがいを覚えてからがベスト
歯磨き粉は、ブクブクうがいができるようになってから使うのがベストだとされています。
うがいは、だいたい2歳頃からできるようになりますが、これもまた個人差が大きいもの。徐々に練習していき、上手にできるようになったら歯磨き粉を使っていくようにするといいでしょう。
歯の汚れは、歯磨き粉がなくてもブラッシングだけで綺麗に落とすことができます。そのため、赤ちゃんにとって歯磨き粉は必須アイテムではないので、無理に使う必要はありません。
ただ、子供用の歯磨き粉は甘い味や香りがするため、上手に活用していきたいという気持ちもありますよね。そんな時は、ジェル状の泡立たない歯磨き粉を使用するといいでしょう。
泡立たない歯磨き粉なら、うがいができなくても最後にガーゼで拭ってあげればOK。 研磨剤や発泡剤なども含まれていないので、万が一飲み込んでしまっても心配はいりませんよ。
うがいなしでも虫歯予防は可能!
うがいができない赤ちゃんは、ガーゼで拭き取るだけでも十分汚れを落とせます。しかし、それだけではやはり心配な時もありますよね。
そんな時は、歯磨き以外の虫歯予防法も試してみましょう。虫歯のリスクを減らすには、毎日のちょっとした習慣が大事なのです。
食後はお茶を飲む習慣を
歯磨きを嫌がってさせてくれなかったり、外出先で歯磨きができなかったりすると、どうしても虫歯の影響が気になりますよね。
そんな時は、食後に水かお茶を飲ませるだけでも、かなり虫歯リスクを減らすことができます。
虫歯菌は、糖分を餌にして虫歯を作り出そうとします。しかし、逆に言えば、虫歯菌が口内に住み着いていたとしても、餌である糖分がなければ虫歯を作り出すことができません。
つまり、虫歯を作り出さないためには、とにかく口内に糖分を残さないことが大事。そのためにできる有効な手段が、食後に糖分のない水かお茶を飲み、口の中に残った食べカスを流すことなのです。
うちの息子は、 2歳頃から毎日チョコをおやつに食べ、しかも小さい頃は歯磨き嫌い…。だけど、 「何か食べたら必ずお茶を飲ませる」という習慣のおかげか、 今のところ一度も虫歯はできたことがないよ!
フッ素配合スプレーを併用しよう
虫歯を予防する方法に、“フッ素塗布”があります。
フッ素とは、歯の修復を促してより強い歯にしたり、虫歯菌の活動を抑えたりする効果があるもの。生え始めの乳歯にも有効なので、早い時期からフッ素を活用するのがおすすめですよ。
通常、フッ素塗布は歯科医院で行ってもらうことが多いですよね。しかし、赤ちゃんを連れて通うのは大変ですし、連れて行っても大人しく塗布できるかどうかは分かりません…。
そのため、フッ素塗布は自宅で簡単にできる方法を取り入れてみてはいかがでしょうか。
その方法は色々ありますが、うがいができない赤ちゃんにおすすめなのは、フッ素配合のスプレーを用いることです。
仕上げ磨きの時に、歯ブラシやガーゼにつけて歯全体に行き渡らせることで、手軽に虫歯予防ができますよ。赤ちゃんから大人まで使用できるので、家族全員で口腔ケアできるのも嬉しいですね。
歯を舐めるだけでも効果的
虫歯のリスクを高めてしまう食べ物と言えば、飴やチョコレートなどの甘くて歯につきやすいお菓子がありますよね。
0歳児にはまだ関係のない話…と思うかもしれませんが、いつかは甘いお菓子を食べさせる時が来るはずです。その時に、虫歯のリスクばかり心配しているのではなく、安心しておやつタイムを楽しませてあげたいですよね。
その時のために、私が歯医者さんに聞いた効果的な虫歯予防法を伝授するよ!それは、歯についてしまった飴やチョコも、最後まで綺麗に舐め取らせること。
最後まで舐めさせるってどういうこと?
歯医者さんによると、歯磨きをすれば大体表面は綺麗になるけど、歯と歯の間に入ってしまったものはなかなか取れないらしいの。「飴やチョコは虫歯になりやすい」とよく言うけれど、その本当の理由は『歯と歯の間に入ってしまった飴やチョコが原因』。
そのため、歯と歯の間に入ってしまう前に食べカスを舐め取ってしまえば、虫歯になりにくくできるって教えてもらったよ!
舐め取るだけなら、すぐに歯磨きができなかったり、手元にお茶がない時でも簡単に虫歯予防ができますね。成長して親の言うことが分かるようになったら、ぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。
ちなみに、子供にチョコレートを与え始める時期は、3歳以降がベストとされています。なぜ早期に与えてはいけないのか、チョコによる影響や注意点などをしっかり学んでおきましょう。
まとめ
- 1本でも乳歯が生えたら、歯磨きを始める目安。
- 始めは、1日1回の歯磨きでもOK。まずは歯磨きに慣れることが大切。
- 歯磨きのやり方は、乳歯の生え方によって段階的に変える。
- 歯磨き粉はブクブクうがいができるようになってから。もしくは、ジェル状の歯磨き粉を使う。
- 食後にお茶を飲んだりスプレーを併用したり、 うがいなしでも様々な虫歯予防法がある。
赤ちゃんの口は小さく、しかも嫌がられてしまうことも多いでしょう。そのため、せっかく歯磨きデビューしても、歯磨きをやりにくく感じてしまうかと思います。
しかし、きちんと隅々まで磨けなくても、心配しすぎることはありません。
磨く順番に気を付けたり、様々な虫歯予防法を取り入れることで、赤ちゃんの歯の健康を守ることは可能です。ぜひ、あなたと赤ちゃんに合った方法で、無理なく虫歯予防をしてくださいね。